中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第117
中国の骨董業者との付き合い方

今回は、私なりに色々と試行錯誤を繰り返して体得した
「中国の骨董業者と上手く付き合う方法」を伝授いたします。

ただし、これはあくまでも北京においての話です。
他の地域の人はプライドよりも商魂に長けていますので
通用しない場合も多いでしょう。

まず私が思うに、中国骨董商の特徴と言えば
「人を見て商売をする」という事です。

初心者には初心者なりの、
目利きには目利きなりの、
値切る事しか頭にない人にはその人なりの対応をしてきます。
勿論、日本の骨董商にもそういう部分はありますが、
中国ではそれが極端なのです。

骨董品には、その価格が書いていない場合が多いので、
最初の言い値は
店主が客の顔を見てから決めるようなところがあります。

つまり、人によって500元だと言ったり
1000元だと言ったりする訳です。
勿論、観光旅行中の裕福そうな日本人に対しての言い値が
最高値となる事は言うまでもありません。

では、本当に骨董が好きな人が中国で本物を買いたい場合は
どうすれば良いのでしょうか?
大体、本物の素晴らしい骨董を置いてある店でも、
まず初見の客にはそれを見せてくれません。

何故かと言うと、
本物の骨董の数が少なく貴重である事と、
まともな骨董屋さんは
やはり品物にそれなりの愛着を持っていますので
品物を分からない人には売りたくないのです。

客の殆どが骨董に詳しくない人や
値切る事しか頭にない観光客などですから、
彼らはいつも
「どうせ本物を見せても品物の価値なんて分かってくれないだろ」と
思っています。

だから、本物の骨董品は店の裏側に置いている場合があります。
日本でも中国でも骨董屋さんというのは
単なる商売人であるだけでなく、
自分もコレクター的な部分を持つ人が多いのです。

「骨董買い」の基本は
そのような店の裏側にある品物を持ち出させる事から始まります。
その為に、私が普段使っていた方法はこんな感じです。

まず、硬い表情のままお店に入ります。
陳列してある品物を一回り見渡して、
さらに難しい顔をします。
そして「都是假的」(全部ニセモノだ)と小声で呟きます。
品物が本物か贋物か判別できなくとも、
取り合えず呟きましょう。

すると、店主は必ず訝しそうな顔をしながらも
「もっとありますよ、見ますか?」
と聞いてくるはすです。

ここで、ようやく強張った表情を少し崩し
「はい、見たいです」と返事しましょう。
しかし、店主が裏から持って来た一品目を見て
反応してはいけません。
もう一度硬い表情に戻り、
若干不機嫌そうな顔で首を傾けなければなりません。

こんな事を何度となく繰り返していかねばなりませんので、
本物の一級品の骨董に辿り着くのはまだまだ先の事となります。  

次回へ続く・・

 
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2008年7月9日(水)

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