第119回
小休止
久しぶりに、中国について考えてみましょう。
今、世界が
経済的大変革の時を迎えている事は周知の事実でしょう。
既存のものの破壊と、
富と覇権の移動、そして新しい価値観の台頭。
世界経済は、そういう過渡期にあり、
世界的に株価や資源価格が大きく変動しています。
米国を筆頭にした先進国から、
資源国そして発展途上国に富と覇権が少しづづ移っていく、
そういう世の中になっていくのだろうと私は推測しております。
そのように大きく変動していく世界経済の中にあって、
中国はどのような位置を占めるのでしょう。
それを端的に示している興味深い話がありましたので、
抜粋して掲載します。
以下は、HSBC会長兼英国銀行協会会長の
スティーブン・グリーンが彼の講演の中で、述べた言葉です。
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米英の銀行がこの5年間展開してきた、
レバレッジを拡大すればするほど儲かる
金融ビジネスのモデルは破綻した。
バブル崩壊という循環的な変化ではなく、
ビジネスモデル自体の破綻である。
今後は、以前のような利益率の高い時代は終わる。
銀行はレバレッジの拡大ではなく顧客との信頼関係や、
運用の効率化、急成長しそうな市場への参入といった
昔ながらの基本的な経営姿勢に戻る必要がある。
(以上、田中宇の国際ニュース解説より)
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上記の文章を簡潔に言えば、
今後の金融ビジネスは
お金がお金を生むようなマネーゲームではなく、
「急成長しそうな市場への参入」などといった実質を伴った投資から
着実にリターンを得る手法へと
変化していくだろうという事でしょう。
私は中国の経済成長を「実」と捉えています。
米国は「幼稚園送迎バスの優先搭乗権」までも証券化した
ババ抜きマネーゲームに明け暮れました。
こんな社会は長くは続かないと言う事です。
「虚」から「実」へ・・・
勿論、中国にもバブル的な部分があり、
その他問題も山積みですが、
成長を求める中国国民の息吹きに「実」を感じざるを得ません。
この過渡期を乗り越えれば、
中国株投資第二ステージの幕が開く可能性は
高いのではないでしょうか。
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