中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第123回
古陶磁器を生かす使い方

骨董品の中でも、陶磁器は使っても汚れませんので、
できるだけ実際に使用して楽しみたいものです。

さすがに何百万・何千万円もする
高価な品を気軽に使う訳にはいきませんが、
私は中国で買ってきた古陶磁器を
ずっと押入れにしまい込む事なく、
たまには生活の中で使うようにしています。

清朝末から中華民国時代の陶磁器は普通に食器として使います。
特に直径50cm以上もある大皿などは
大人数の鍋物の盛り付けや散らし寿司などの盛り付けに
大変重宝しています。

それだけの大皿を日本で買うと
けっこう高価なものとなりますので、
中国に行った時には何か一つ使える食器を買って帰ります。
ちなみに200年以内のモノは海外持ち出しに制限がありません。

しかし、古陶磁器の一番の楽しみ方は、
そういう食器としての使い方ではなく、
「見立て」の楽しさにあると思います。

明時代の小さな青花壺をペン入れに使ったり、
宋時代磁州窯の徳利を一輪挿しにしたり、
また唐三彩の小皿を時計やアクセサリー置きとして使う・・
そう使い方を生活の中に取り入れれば
過去の中国を更に身近に感じる事ができます。

古陶磁器と言っても、
もともとは昔の人々が使用していた生活用品だった訳ですから、
それらの品物には過去の持ち主の痕跡が残されています。

傷や汚れなど目に見える痕跡もそうですが、
大袈裟に言えば、
古陶磁器を眺めていると
過去の持ち主の何か精神的なものまで
感じとれる気になったりする訳です。

そういう事が理解できれば、
もう古陶磁器収集家として一人前になったと言えるでしょう。

とにかく、古陶磁器を楽しむ為には、
500年前1000年前の過去に遡って、
その品物を使っていた人達の顔や生活などに
想いを巡らせる事が大切です。

宋時代の徳利と杯

これで、老酒などを呑めば酔いとともに
1000年前の中国の酒場にタイムトリップ

宋時代の磁州窯の大碗に花弁を浮かべ、
玄関に飾る

騎馬民族だった遼王朝時代の三彩皿に
理由もなく梅干を盛ってみる
 
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2008年7月23日(水)

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