中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第126回
中国料理

今回も「中国古陶磁器に盛って映える料理」略して、
中国料理のコーナーです。

今回は難しい話は抜きに
「本物の旬の上海蟹がどのくらい美味しいか」
について書こうと思っていたのですが、
突発的な出来事が起こったので少し話題を変えます。

日本においても美味しい中国料理を食べる事はできますが、
私は日本で食べた中国料理に
心底感動した経験は一度もありません。
しかし、中国においては
感動して箸が止まった経験をした事が何度かあります。

本当に美味しい旬の上海蟹もその一つですが、
香港で食べた干し鮑料理や新鮮な魚介料理、
また上海の家庭で食べた「酔蟹」など、
食べた瞬間に「えっ?」とこちらの意表を突かれる程
美味しいと思う料理が稀に存在するのです。

あと、豆苗やインゲンなどを簡単に塩だけで炒めた
質素な料理などにも感動した経験があります。
感動を呼ぶ料理とは、
まず第一に素材そのものが素晴らしいという事が前提になります。
素材が悪ければ、
いくら最高の調理人が調理しても
人を感動させる料理にはなりません。

最近はさすがに料理で感動する事は殆どなくなりましたが、
ほんの数日前久しぶりに料理で感動をする経験をいたしました。

現在、日本の中国料理界のトップシェフだと評価の高い
脇屋友詞シェフ。
有名TV番組「料理の鉄人」で一番最初に鉄人を破った人です。
後の説明は省きます、興味のある方はHPでも見て下さい。

今回、その脇屋シェフの料理を試食する機会があったのですが、
料理というものの根底である「素材を生かす」という意味において、
衝撃を受けた料理がありました。

その料理は「冷製コーンスープ」です
作り方は驚くほど簡単。

◎朝一採れたての最高の生とうもろこし(有機農法)を用意します。
◎芯から実を外します。
◎水で芯を煮ます(芯には甘みがあり、それが基本スープとなる)
◎芯を取り出したそのスープに
とうもろこしの実を入れしばらく煮ます。
◎それをミキサーで潰し、漉します。
◎極小量の塩と桂花陳酒(キンモクセイの甘い酒)少量で
味を整えます。
◎それを冷たく冷やして出来上がり。

これを飲んだ時、まず「甘い!」と仰天します。
砂糖を全く使っていないのが信じられない甘さだからです。
そして、「世の中にこれほど品の良い甘みが存在したのか!」
と感動するのです。

基本的に材料は、
「とうもろこし」「水」「塩」この三つだけです。
大事な事は最高のとうもろこしの採れたてを使うという事だけです。
それは「上海蟹」の本当の美味しさと通じる所があります。

最高の品質である事。
旬のものである事。
採れたてである事。
そんな食材から人を感動させる料理が生まれます。

とうもろこしはエタノールを作る為のものじゃない
 
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2008年7月30日(水)

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