中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第127回
ハイハイ天さん、天さんデス

[ペンネーム]  上海II
[性別]  男
[年齢] そろそろ下天のうちを比ぶればの年

○依頼文

いつも楽しく拝見しております。
上海IIと申します。
「上海IIのIIはツーですか?アイアイですか?」
とよく聞かれるのですが、
一応IIの由来は、本名のイニシャルですんでアイアイです。

<中略>

この一輪挿しは、
わたしが14才のときに作ったものです。

<中略>

二種類の釉薬を絶対に混ぜないようにと注意されたにも関わらず、
どうしても混ぜたい気持ちを抑えられずに
混ぜてしまったという一品です。

<中略>

美術の成績に10段階評価で2を付けられました。
是非とも中学の成績を挽回すべく、
天青庵先生ならば10段階評価で
いかほどの評価を付けて頂けるものかお聞きしたく、
鑑定依頼した次第です。

黒色の発色は重要文化財クラスだが・・・

 

○鑑定結果

この暗黒の世界へ通じるような漆黒の黒色は、
誰にでも出せる黒色ではありません。
この手の黒色で有名なのは日本の陶工なら、
黒楽茶碗で重要文化財指定されている「長次郎」ですが、
彼がこの黒色の発色を得るのに成功したのは
齢50歳を過ぎてからの事だと聞きます。
それに対し、
この「秘伝の黒色」の発色を若干14歳にして得たあなたの創造力、
作陶技術はプロの陶芸家を圧倒し、
他者の追随を許さない程の強烈な輝きを放っております。

○結論

私の評価は10段階では「1」可能ならば
「0」もしくは「-1」です。
黒色の発色は素晴らしいのですが、
いかんせん造形に品が無さ過ぎました。

長次郎作 黒楽茶碗 (重要文化財指定)
 
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2008年8月1日(金)

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