中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第130回
ハイハイ天さん、天さんデス

今回の依頼は、随分前に送られてきたものですが、
前回のコラムで扱った「哥窯写し」の作品なので、
もう一度引っ張り出してきました。

依頼者の方、掲載遅れた上に酷評して申し訳ございません。

○今回の依頼者

[ペンネーム] 金色の桃太郎
[年齢] 40代
[趣味] 中国株 中国骨董
[特技] 売った株は絶対に上がる事

○依頼文

初めまして、仕事の関係で上海に住んでいます。

<中略>

上海の骨董屋さんで買った哥窯風の瓶ですが、
多分元か明時代の写しだと思います。
手に取るとずっしりと重く、
なかなか迫力があり気に入っております

鑑定お願い致します。

確かにひび割れは哥窯風だが・・・

わざと墨のようなもので汚れをつけている

 

○鑑定結果

前回のコラムに載せた作品と同じく、
宋時代の哥窯の青磁を模倣したものですね。
ただし、元時代のものではなく近年の写しです。
つまり一般的なニセモノです。

こういう哥窯風の焼物は、
別にニセモノを作るという意味ではなく、
おみやげ品としてよく焼かれています。

依頼の作品は、そういう品をわざと墨のようなもので汚し、
ひび割れに色を刷り込んでいます。

特に高台(裏の部分)は故意に汚した跡がはっきりと出ています。

金額的には、数十元で買える品です。

○結論

古陶磁器の世界において、
必要以上に汚れている品は大概ニセモノです。
本物は発掘品であってもその後大切に扱われてきていますので、
手で取れるような汚れはついていません。

本物の古陶磁器の汚れは、
長時間土中にあってこびりついた絶対に取れないものぐらいで、
黒い墨のような汚れはありません。

骨董品屋でモノを見る時、
わざとらしく汚した品は全部素通りで良いと思います。

 
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2008年8月8日(金)

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