第144回
ハイハイ天さん、天さんです
○今回の依頼者
[ペンネーム] グリーンティー
[年齢・性別] 50代・女性
[趣味] 料理
○依頼文
残暑お見舞い申し上げます。
鑑定を希望いたします。
父が台北の知人に頂いたものです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
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一見綺麗な焼き物に見えるが・・ |
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あまりにも色絵付けが雑、
塗り忘れと思える箇所すら・・ |
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一応、清時代皇帝の名款が入るがあまりにも稚拙 |
○鑑定結果
この焼き物は、
普通に玄関などに飾る為に焼かれた現代製の置物ですね。
別に「古陶磁器を模倣して儲けてやろう」などと
悪意を持って作られたものではありません。
金額にすれば、現地では1000円程度で買える品物だと思います。
今回、この作品を取り上げたのには理由があります。
全く古陶磁器に対する知識のない方がこの手の焼き物を見ても、
それが高価な古陶磁器なのか普通の置物なのか
全く判別できないのは当たり前の事なのです。
けれど、骨董品を見る時に大事なポイントさえ押さえていれば、
古陶磁器に限らず、
絵画や書画、また工芸や時計や人形に至るまで
ありとあらゆる品について
最低ラインの目利きができるようになります。
今回は、そのコツを少しばかり教えます。
○結論
<骨董品を見る時に大事なポイント>
1 まず、見ていて訴えかけてくるような魅力を感じられるか?
(何百年も残され伝わってきた骨董には絶対に何らかの魅力がある)
2 時間の経過を感じられるか?
(骨董とは最低200年以上昔のものであるとすれば、
ワザとらしく汚していなくても、
何かその時間の経過を感じさせるものがある)
3 技術力を感じさせるか?
(今は骨董品と言えど、
作られた当時は最先端の芸術だった訳であり、
しかも現代まで伝わっている品には
確かな技術力やセンスが感じられるものが多い)
4 綺麗か?
(今までの私の経験だと、
良い骨董は総じて綺麗な状態を保っているものが多い)
あと50項目ほど良い骨董を見極めるポイントがありますが、
この4項目を守って経験を積んでいけば、
誰もが必ず優秀な骨董目利きになれるでしょう。
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