第150回
ハイハイ天さん、天さんデス
○今回の依頼者
[ハンドルネーム] ピカイア
[モットー] 小さな親切大きなお世話の自覚
チャレンジ!(ほんまもんへの道は厳しい?)
○依頼文
青華合子の鑑定お願いします。
20年くらい前、夫所有の本が欲しいという方に
その本を差し上げたところ、
これをいただきました。
ところが、香合を並べていた棚をお掃除していて、
これは、私のハタキの餌食になってしまったんです。
割れて数が増えてしまいました。
捨てたらとあっさり言われたのですが、
ボンドでつけてみました。
あれから20年、
無事に我が家におりますが、原型をとどめていれば、
今頃私はわらしべ長者だったでしょうか。
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古陶磁器の真贋は
絵付けを見るだけで分かるものも多い |
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清朝官窯品の典型的なニセモノに多いお粗末な銘款 |
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踊っているのか? 背中を掻いているのか? |
○鑑定結果
ピカイヤさんはハイ天の常連さんで、
すでに投稿3回目となります。
しかし、今回も今までと同じく「残念賞」ですね。
今回の鑑定は「絵付けの説得力」という観点から行いました。
もちろん、器物の裏面を見ても
「わざとらしい汚れ方」
「皇帝専用の官窯として銘款がお粗末」など
本物でないと断言できる点はあります。
しかし今回は、どなたでも普遍的に古陶磁器を見られるように
「器物に描かれた絵」に焦点を絞って説明いたします。
陶磁器に描かれる絵画は、
一つは官窯作品など一流の絵付師が描いたもの、
もう一つは無名の陶工が日常の流れ作業の仕事から習得した
「筆の慣れの技術」によって描かれたものの二つしかありません。
つまり、価値がある古陶磁器に描かれている絵画は
「精巧極まりないもの」か
「正に流れるような筆跡」かの、
いずれかしかないと言って良いと思います。
そういう観点から言っても、
この合子の絵付けは単に下手ですよね。
特に、描かれた馬から生き生きした動きが感じられません。
中国では馬は大変大切な動物ですので、
まず依頼品のような官窯作品においては
もっともっと大切に描かれているはずです。
馬をよく見てください。
正直、顔も可愛くないし、
何をしているかも分かりません。
私には、後ろの馬が
前の馬の背中を掻いてやっているようにしか見えません。
○結論
ピカイヤさん、4回目のリベンジお待ちしております。
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