「えーと、まずクジをひいてください」
いらっしゃいませ≠ニいう襷をかけた子に
言われるがまま、
適当にクジを掴んで渡す。
「おめでとうございます!10%引きです!!」
襷っ子がハシャギ気味にそう言った。
2001年当時の中国レーシック、
片目5000元(日本では20〜30万したはず)、
が4500元(当時レートで55,000円くらい)になった。
ただでさえ安いのに割引されて不安感は倍増した。
目の検査を無事クリアし1週間後に手術。
機械はアメリカ製、目薬は日本製。
見かけは新しい、パッケージは・・・信じるのみだ。
手術前に一緒に部屋にいた青年は
解放軍に入るという理由でここに来ていた。
「おおっ!?見えるぞ!全部見えるぞ!!」
先に手術した青年が叫んだと同時に、
若い看護婦に
手術室に入れと無言で手招きされた。
担当医には英語で話しかけられた。
英語は苦手だから中国語で話してくれといったら、
少し場が緩んだ。
その後の説明は四十五≠ニいう数字しか
聞き取れなかったのだが。
目蓋を強制的に
開けたままにする器具を取り付けられ・・・・
眼球に直接シートみたいなものを乗せられる・・・・
なるべく眼(瞳孔)を動かさないで・・・・
ダダダダダッダダッダダダダダッ・・・
何かが焦げるような臭い・・・・
ダッダダッダダッダダッダダダッ・・・
「OK。終わりました」
四十五≠フ意味を理解し目の検査へ。
感動ではなく若干の痛みで涙が止まらず、
目蓋は開けにくかったが異常なし。
そして用意したサングラスをかけて外へ・・・が、
何かがおかしい。
サングラスをかけているから?・・・・いや見えない、
見えないというよりも視点が合わない。
背筋がゾクッとした。
夏なのに凍るほど寒い。
鳥肌が全身を覆いつくす。
少し震えている自分に気付いた。
サングラス越しに見上げた太陽は、
ただただボンヤリと白かった。
続く・・
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