中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第158回
ハイハイ天さん、天さんデス

○今回の依頼者

[ペンネーム]  やまさん
[職業] 某商社勤務
[中国歴] 15年
[趣味] 中国骨董全般 投資

○依頼文

天青庵様、はじめまして。
私は北京に駐在して15年になります。
中国株も10年近くやっております。
あと趣味で骨董を集めていますが、
陶磁器は難しいので安物しか買えません。
依頼の品は、部下の中国人が
私の骨董好きを知っていてワザワザ買ってくれたものです。
焼き物の裏に蝋でつけた印があり、
文物局という部分が読み取れます。
是非、鑑定お願いいたします。


○鑑定結果

久し振りにこのコーナーに古陶磁器が現れました。
依頼の品は「茶葉末釉」という
お茶の葉っぱの色に似せた釉薬がかかった長首瓶です。
時代的には清朝の中期〜後期の作品だと思います。

この茶葉末釉の焼き物、
シンプルで大変地味ですが
中国においても日本においても案外人気が高い焼き物です。
日本では茶席において花瓶などに使用されます。

価格的に言えば、清朝の官窯の作品なら
数百万円以上するものもザラにございますが、
この作品は官窯で焼かれたものではありませんので
そんなに高くはありません。

多分中国古陶磁器を扱う骨董店の店先に並ぶ頃には、
12万円ぐらいの値札がつけられる事でしょう。
それを8万円に値切って買うような品物です。

裏の認証印は中国文物局の国外持ち出し許可印だと思われます。
中国では200年以上前(清朝中期以前)のものは輸出禁止ですが、
それ以後のものは基本的に持ち出しができます。

○結論

統計上、中国人が上司の日本人に
価値のあるモノを贈る確率は1/2000となっております。

あなたとその部下の関係は、
今までの日中関係の枠を超えるものなのでしょう。

○依頼品紹介

お茶の葉の色を表現した「茶葉末釉」

清朝独特のしっとり感がある

裏の認証印は多分文物局の「国外持ち出し許可」
 
←前回記事へ

2008年10月13日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ