第164回
中国名窯探訪 「耀州窯」
耀州窯は中国陝西省西安の北に位置し、
唐時代から明時代の長期に渡って、
いろいろな種類の焼き物を焼き続けてきた民間窯です。
唐時代には唐三彩や黒磁や白磁、
また元時代から明時代においては
磁州窯風の一般大衆向けの食器なども焼いていましたが、
耀州窯が中国の名窯として
世界にその名を轟かせたのはやはり宋時代に焼かれた青磁です。
宋時代〜金時代に焼かれた耀州窯の青磁の特色は、
その何とも言えない深く落ち着きのある
オリーブグリーンの発色と刻花と呼ばれる装飾法にあります。
私も何度か手にとって見た事がありますが、
耀州窯青磁の優品は本当にしっとりとした
萌葱のような潤いのある緑色をしています。
そしてこの緑色は、他の青磁窯のものと全く違う趣があり
独特の世界を持っています。
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日本の重要文化財指定を受けている耀州窯の名品
鋭いヘラで文様を削り込む「刻花」の技法の最高到達点
オリーブグリーンの釉薬の発色も見事な一品
(解説リンク)
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時代が下がるに従って、
型押し文様の「印花」という技法が増えた
(解説リンク)
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耀州窯の作品によくある「焼きの甘い」二流品 |
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耀州窯の土見せの部分は
このように赤茶色に焼き焦げている場合が多い
ただし、土自体は灰色の土 |
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耀州窯作品の贋作
表面を研磨したせいか、気泡が潰れている |
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