中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第165回
ハイハイ天さん、天さんデス

○今回の依頼者

[ペンネーム] 一徹
[性別・年齢] 男性 56歳
[職業] 技師
[お住まい] 中国瀋陽市

○依頼文

趣味の中国株で天青庵様を知り、
中国在住のせいもございまして
最近は中国古陶磁器の方にも嵌っておる次第でございます。

単身での中国長期滞在の身ですので
時間を持て余しておったのですが、
中国株投資と古陶磁器収集という趣味が持てたおかげで
楽しく過ごせるようになり大変感謝しております。

鑑定を依頼する品物は、
最近瀋陽市の骨董店で購入したものです。

時代については店主もあまり詳しくないのか、
とにかく古代のものだとしか教えてくれませんでした。

一つ300元と安かったので購入しましたが
本当に古いものかどうか自信が持てません。

○鑑定結果

これは、間違いなく古いものです。
ただし、その見た目とは裏腹に比較的新しい骨董品です。
もちろん古代などという事はなく、
これは明時代の明器つまり
死者を埋葬する時に一緒に入れた焼き物だと思います。

見た目が古く感じるのは、
器物が銀化(土中で表面が化学変化を起こす現象)
しているせいです。

通常銀化現象で有名なのは、
漢時代の緑釉の作品や唐時代の鉛釉の作品ですが、
実はまだ時代の浅い明時代にも銀化は起こります。

価格的には、掘ればいくらでも出てくるような品物ですので、
300元は高過ぎると思います。
1/3までは値切れたと思います。

○結論

一見とても古そうな感じがする焼き物でも、
案外新しいものが存在します。


○依頼品紹介

依頼品
一見すると「古代」の焼き物風
表面は「銀化」している

依頼品
土を見るとそんなに古い感じがしない
500年前、明時代の焼き物

こちらは2000年前の漢時代の緑釉の耳杯

 
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2008年10月29日(水)

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