中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第166回
中国料理

今回も「中国古陶磁器に盛って映える料理」
略して、中国料理のコーナーです。

本来ならば、今回は「人の手間を食す」の続きで
フカヒレ姿煮込みの具体的な作り方について
解説しようと思っていたのですが、
フカヒレを煮込む為の基本スープの作り方だけで
半日かかってしまうので、
内容を変更させていただきます。

と言う訳で、今回紹介する料理は「酢豚」です。

実は酢豚もエビチリと同じで、
ある意味中国には存在しない和製中国料理の代表的なものです。

日本の酢豚のベースになった中国料理としては
「古老肉」や「糖醋排骨」がありますが、
現地で食せばその味はやはり
日本の酢豚とは大きく異なったものとなっています。

また逆に、安い団体旅行などで中国や香港に行った場合、
日本人が好きな中国料理として
勝手に日本の酢豚的な料理を出されて辟易する事もございます。

やはり、酢豚に関しては
日本の中国料理店で食べるのが一番だと思います。

日本の酢豚の原点となった
「古老肉」は「古い豚肉」という意味です。

つまり、酢豚という料理が発明された理由は、
古くなり少し臭くなった豚肉を
何とか工夫して美味しく食べられないかという所にあった訳です。

まず古くなった豚肉に醤油や酒などで下味をつけ、
それに粉をまぶしてカリカリに揚げ、
更に酸味のあるタレで絡めてしまえば
肉の臭さが気にならないだろう
といった発想から酢豚は作られました。

つまり古老肉は「素材の美味しさをそのまま生かす」
といった料理界の原点とも言える大切な教えに
挑戦状を叩きつけるような料理なのです。
正に、料理界の反逆児だった訳です。

それが日本に渡ってきて
「古老肉」は新鮮な豚肉を使った美味しい酢豚に変身しました。
反逆児が、牙を抜かれた瞬間です。

では、家庭でも作れる
美味しい酢豚の作り方を伝授いたしましょう。

まずは、タレの作り方です。
水5、砂糖1.5、醤油1、酢1、
レモン汁と塩少々を合わせておきます。

そこに、葱、生姜、にんにく、玉ねぎ、セロリの葉の部分などの
香味野菜を少し入れ、一度沸騰させます。
タレが沸騰したらすぐに火を止め、
そのまま冷ましておきます。

豚肉は肩ロース肉を使用します。
玉ねぎやパプリカなどの野菜を
食べやすい大きさにカットしておきます。

豚肉に醤油と酒と少しの水を入れ、
揉み込みしばらく置いておきます。
そして片栗粉をまんべんなくまぶします。

160度くらいの低温の油で、
まず野菜を先に軽く油通し(素揚げ)します。

次に余分な片栗粉を掃った豚肉を入れ、
徐々に温度を上げていき、
最終的には180度ぐらいでカラっと揚げます。

先に作ったタレを濾してから水溶き片栗粉でトロミをつけ、
そこに揚げた野菜と肉を投入して絡めます。

仕上げにゴマ油を少々たらせば美味しい日本式酢豚の完成です。

どうしても中国式の酢豚に挑戦したい方は、
まず豚肉を少し腐らせる所から始めて下さい。

酢豚に使う肉は「肩ロース」が最適
 
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2008年10月31日(金)

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