第168回
ハイハイ天さん、天さんデス
○今回の依頼者
[ペンネーム] 名古屋コーチンさん(筆者命名)
[年齢] 21歳 (筆者推定 )
[趣味] 古銭収集(筆者推定)
[性格] 人にモノを頼まれれば、
嫌と断れないタイプ(筆者推定)
はじめまして。
コラム毎回楽しく拝見しております。
私は都内の大学に通うしがない学生です。
昔から幼いころより古いものに興味があり、
今でもちょくちょく骨董市に繰り出したりしています。
なかなか手が出ませんが・・・
さて今回、天青庵様に鑑定をお願いするものは、
今から6年前に名古屋の骨董市で
父が12000円程で購入したものです。
店主の説明によれば鼻煙壷の一種ということです。
現在は私が管理しておりますが、
勉強不足のため皆目見当がつきません。
どうか鑑定よろしくお願いします。
○鑑定結果
これは仰る通り、磁器でできた鼻煙壷ですね。
鼻煙壷というのは、携帯用の嗅ぎタバコ入れです。
嗅ぎタバコとその入れ物としての鼻煙壷は
明時代にイタリアから伝わったようですが、
芸術的な発展を遂げたのは清時代になります。
清時代になると、
鼻煙壷は実用品という枠から飛び出し
芸術品として大きな価値を持つようになりました。
鼻煙壷には依頼品のような磁器製のものや、
ガラス製、木製などいろいろな種類があります。
私はあまり興味がないのですが、
鼻煙壷には大変熱心なコレクターが存在しており、
小さいくせに信じられないような価格がつくものもあります。
とくに高額なのは、
清時代に宮中の作家によって作られた作品です。
依頼品のような磁器製の鼻煙壷は
皇帝直属の窯である「官窯」で焼かれ、
裏には皇帝の銘が入ります。
そのような清朝官窯製の磁器製鼻煙壷ですと
何十万円〜何百万円の価格がつきます。
依頼の品は、描画も細かく造形もしっかりしている事から、
巷に大量に出回っている現代製工芸品ではなく、
しっかりとした工房で製作された作品だと言えるでしょう。
ただ、骨董品と呼ぶまでの古さはないように思えますので
価格的には数万円ぐらいだと思います。
しかし、とても良い作品だと思いますので、
大切にしてあげて下さい。
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依頼品
鼻煙壷はたった数センチしかありませんが
コレクターが多く、
中には何百万円もするものも存在します。 |
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依頼品
大変丁寧で繊細な作柄です。 |
--- 天青庵さんよりお知らせ ---
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