中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第169回
中国料理

今回も「中国古陶磁器に盛って映える料理」
略して、中国料理のコーナーです。

今回は有名な北京ダックについてのお話です。

日本において、北京ダックは
パリパリに焼いた皮だけを食するモノという誤解がありますが、
北京で食べる北京ダックは皮だけでなく
肉の部分も一緒についています。

北京では、焼きたての北京ダックを目の前で捌いてくれますが、
パリパリに焼き上がった「皮」
その下の「皮下脂肪の部分」
また「赤身の肉の一部」その三つの部位を
最高の割合で削ぎ落とすのが、北京ダック職人の包丁の技です。

そういう本物の北京ダックは
本当に食べ応えがあって美味しいものです。

私は、北京ダックは皮だけでなく、
皮下脂肪や肉の部分も一緒に食べるべき料理だと断言いたします。

では、皮下脂肪も肉も一緒に食べても美味しい
本物の北京ダックとは一体どういうものでしょうか?

ここで大切なのは、
北京ダックに使用されるアヒルさんの品質と新鮮度です。

飼料を大量に与えられて育ったアヒルの脂肪は匂いが強く、
少し新鮮さが落ちると更に肉の部分にも嫌な匂いが出てきます。

北京ダックに使用するアヒルはやはり良質の餌を与えた上に
しっかりと運動させたブランドアヒルでなければなりません。
それを最高の技術を持った焼き専門職人が
高温の短時間で焼き上げ、
それをすぐに食するのが一番美味しい北京ダックの食べ方です。

では、逆に香港などで食べる
皮だけの北京ダックはどういうものでしょう。

香港では、北京ダックだけを食するというよりも、
他の豪華な料理に混じって北京ダックも供されますので、
皮下脂肪や肉までつけていたら
しつこくて他の料理が食べられなくなると言った理由から
自然発生的にあの食べ方が生まれたと私は考えます。

ですので、私は香港風の北京ダックを
美味しいと感じた事はありません。
どうせ、皮を食べるなら子豚(乳猪)の丸焼きでしょう。
アレは本当美味しいです。

では、日本で食べる北京ダックはどうでしょうか?

中華街などの一部の専門店では
北京ダック用のアヒルを中国から空輸して
本式のやり方で焼いているお店もありますが、
通常我々が食べる機会が多い北京ダックは、
例えば中国などで一度焼いてから空輸されたものが多い訳です。

それをもう一度焼くのではなく、
注文があってから高温の油をかけて皮をパリパリにする訳です。

そうやって作った北京ダックは最低ランクの北京ダックであり、
美味しくもなんともありません。
あれは食べ物というよりもセルロイドに近い物体でしょう。

日本の中国料理店のコース料理などに出てくる「北京ダック」
あれを北京ダックと崇めて食べる必要はありません。
料理的にはアレよりも
その辺の地鶏の焼き鳥の方が格が上なのです。

一見美味しそうに見える北京ダック
しかし、本当に美味しい北京ダックに巡り合う事は難しい

 

   --- 天青庵さんよりお知らせ ---

あなたの自慢のお宝をスバリ鑑定いたします。
中国古陶磁器はじめ中国に関するものなら何でもけっこうです。

お気軽にどしどしご応募下さい。
(詳細はこちらの申し込み欄を読んで下さい)

 
←前回記事へ

2008年11月7日(金)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ