第172回
ハイハイ天さん、天さんです
○今回の依頼者
フリッパーさん、二度目の依頼です。
○依頼文
これも戦前に中国から祖父が持ち帰った物で、
戦争中は写真の唐獅子と一緒に疎開させていた物です。
高さは14cm非常薄く軽いものです。
○鑑定結果
とても綺麗な姿をした白磁の瓶ですね。
ただ、時代的にはやはりそんなに古いものではないと思います。
多分お爺様が中国におられた時、
その時代に作られた作品だと思います。
このような丹精なつくりの磁器は
清朝時代の民間の窯でも沢山焼かれていますが、
この作品は古くとも
中華民国時代後期〜新中国に入った頃の作品だと判断いたします。
その理由は、この焼き物の姿形に
ほんの少しモダンさを感じるからです。
清朝後期、中華民国時代、いずれにしても
こういう民間窯の磁器は大量に焼かれていますので、
そんなに高い価格がつく性質の焼き物ではありません。
今でも数万円も出せば入手できると思います。
それと、一つ大切な事は古陶磁器界において
磁器のニュー(ヒビ)は致命的な欠陥になります。
依頼品も轆轤成型時の無理がたたって、
器物の下部にニューが入っています。
特に日本の古い時代の陶器質の焼き物については、
ひび割れは逆に味わいがあると見なされ
価格が上がる事すらあるのですが、
「磁器」におけるひび割れは
金銭的な価値を大幅に下げてしまいます。
特に、皇帝の窯(官窯)で焼かれた磁器などは
ひび割れがあるとその価格は何十分の一以下になってしまったり、
ひび割れが酷いものですと
金銭的な価値がなくなってしまう事もあります。
○結論
古い時代の陶器質の焼き物は別として、
清朝時代以降の磁器を選ぶ時には
絶対にヒビや欠けのある作品を選ばないようにしましょう。
○依頼品紹介
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依頼品
姿がとても美しい白磁の瓶
中華民国時代辺りの作だと推定 |
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