中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第174回
私のお気に入りの一品

今回の私のお気に入りの一品は「徳化窯 白磁香炉」です。
徳化窯とは広義においては
福建省の徳化県に点在する100以上の窯の総称、
狭義においては徳化県に多数存在した窯の中でも
今回の作品のような白磁を焼いた明〜清時代の
特定の窯の事を指します。

もともと、広義における徳化窯全体で焼かれていた陶磁器は
輸出用の雑器のようなものが殆どでしたので、
徳化窯=明〜清時代に活躍した白磁の名窯
と覚えておけば間違いありません。

その徳化窯で焼かれた陶磁器の特徴と言えば、
お釈迦様の仏像や今回紹介する香炉など、
仏前に飾る陶磁器だけをやいている事です。
今でもだいたいお寺にいけば
陶磁器でできたお釈迦様や香炉などがありますが、
徳化窯の白磁はそのような仏具を焼いた窯でした。

徳化窯で評価が高いのは白磁のお釈迦様です。
特に明時代に焼かれたお釈迦様は、その柔らかな表情と
アイボリーホワイトのしっとりとした白色の魅力で、
多くのコレクターの人気の的となっています。

しかし、私は焼き物でできたお釈迦様は勿論、
人形や動物など器としての形でないものに興味がありません。
でも、徳化窯のアイボリーホワイト(象牙色)の焼き物が欲しいと
ずっと思っていました。

そんな時にあるオークションに出展されていた
この作品が気に入り、必死にプレートを上げて落札したのです。
ちなみに他には誰も手を挙げていませんでしたが・・
とにかく、このしっとりと落ち着いた象牙のような色合いが
大変気に入っています。

徳化窯白磁独特のアイボリーホワイトの発色。

内側や底面は施釉されていない。

器物には魔除け?の文様が描かれている。

 

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2008年11月19日(水)

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