第175回
ハイハイ天さん、天さんデス
○今回の依頼者
[ペンネーム] カテファン
[職業] 某金融機関勤務
[趣味] 中国株 中国旅行
[年齢] 42歳
[座右の銘] 人生一度きり
○依頼文
いつもお世話になっております。
5年ほど前に旅行で北京を訪れた時に
骨董屋さんが集まったビルの中で買いました。
古いかとどうか分かりませんでしたが、
デザインが良いのと細工が細かい所が気に入りました。
実際に電球も点きます。
最初は8000元と言われましたが、
「帰国するので殆どお金が残っていません、2000元なら買えます」
と言うと本当に2000元になりました。
簡単に値引きしてくれたので逆に不安になりましたが、
品物自体は気に入っています。
○鑑定結果
この依頼も今年始めにいただいたもので、
鑑定が大変遅れ申し訳ございませんでした。
まず、この骨董風スタンドは古いものではありません。
一番の理由は、木製の部分を古く見せかける為に
それ風の塗料が塗られ更に汚している点です。
(送られてきた写真をアップにしました)
多分、水がかかった為にその塗装の一部が綺麗に剥げて
下の木の色が見えています。
本当に時間の経過と共についた色は
このように簡単に変色する事はありません。
このような商品は、今から20年ぐらい前に
清時代の後期から中華民国あたりのオールドシノワ的な
生活調度品が欧米で人気になった事から
大量に作られたニセモノです。
清朝時代の家具なども人気になりましたので、
古い家具の複製品も沢山作られました。
あと、同じ頃に古い日本のポスターなども人気になりましたので
それらの複製品も大量に出回りました。
依頼のスタンドは骨董ではありませんが、
オールドモダンチャイニーズ風のデザインランプと思えば、
日本円で3万円は高くないでしょう。
○結論
清朝末期から中華民国時代
(日本で言えば明治〜大正時代の頃)の
モダンアート的なものや
家具のニセモノが大量に出回っています。
「これはそんなに古いものじゃないし、
高いものじゃないからニセモノは無いだろう」
と安易に考えるとニセモノを掴む事になります。
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モダンなデザインのランプ。 |
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細かい細工に見えるが、けっこう雑
本物はもっと丁寧な仕事。 |
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本当の木の古さではなく古そうに見えるだけ塗装
簡単に色落ちしている。 |
--- 天青庵さんよりお知らせ ---
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