第189回
中国料理
今回も「中国古陶磁器に盛って映える料理」
略して、中国料理のコーナーです。
今回は豆瓣醬(ドウバンジャン)についての話です。
豆瓣醬はそら豆を発酵させたものに
唐辛子や麹そして香辛料などを加え、
更に1年から5年ぐらい発酵させた唐辛子味噌です。
最近はどこのスーパーにも豆瓣醬はおいてありますが、
中国料理を本格的に作りたいのなら、
やはりその品質に拘りたいところです。
まず、豆瓣醬の選び方ですが、
日本で売られている真っ赤なものは
本格的な作り方をしていない上に熟成も足らず、
豆瓣醬が本来持つ独特のコクと香りがありません、
やはり、豆瓣醬は最低でも
2年以上発酵させたものを選びたいところです。
そういう豆瓣醬は見た目が黒く水分が少ないものが多いです。
そして、そのような良質の豆瓣醬を手に入れる事ができれば、
後注意する点は一つです。
それは、材料を投入する前に、
必ず多目の油で豆瓣醬良く炒め香りと旨みを出しきる事です。
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良質の豆瓣醬はこんなえげつない色です |
では、豆瓣醬の使い方の基本を守って、
回鍋肉(ホイコーロー)を作ってみましょう。
回鍋肉は大変有名な四川料理です。
回鍋肉の名前の由来は、
肉を茹でて一度冷ましそれをスライスして
また鍋で炒めるという所から来ています。
つまり、鍋から一度出たくせに
又鍋に帰ってきた肉という意味です。
ちなみに「回」とは中国語で帰るという意味ですので、
「我回中国」は[私は中国に帰ります]という意味です。
では、回鍋肉(ホイコーロー)の作り方
回鍋肉(ホイコーロー)
1 豚肉(バラ肉か脂が多いロース肉)の塊を
近所の肉屋で買ってきます。
2 豚肉は火が通るまで一度茹でて、
切りやすいように少し冷ましておきます。
3 豚肉が冷めたら、厚さ3.5ミリ、
幅5センチほどに切り揃えておきます。
4 ザックリ大きめに切ったキャベツを
少し油を入れたお湯で一瞬サッと茹でます。
(本来なら、油通しをするのですが、家庭では難しいので)
5 中華鍋でけっこう多目のサラダ油を熱します
(熱くし過ぎてはいけません、豆瓣醬が焦げます)
6 生姜とニンニクの微塵切りを投入し、
すぐに豆瓣醬を加え香りがでるまでじっくり炒めます。
7 甜麺醤(中国甘味噌)と白葱と切った豚肉も加え、
これもしばらく炒めます。
8 醤油と砂糖で味を調え、
湯通ししたキャベツを入れ強火で煽ります。
9 出来上がり
10 料理の回りに透明な赤い油が出てくれば成功です。
※豚肉を茹でたお湯は捨てずにスープとして使いましょう。
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本当の四川回鍋肉はもっと油タップリ
とにかくごはんによく合う一品です |
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