中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第208回
中国料理

今回も「中国古陶磁器に盛って映える料理」
略して、中国料理のコーナーです。

今回紹介するのは肉まんです。
あんまんでもカレーまんでもピザまんでもありません。

いきなりですが、「老麺」を知っていますか?

何をどこで勘違いしたのか、
単なる当て字なのかラーメンの事を
「老麺」と書き記しているお店がけっこうあります。

ラーメンとは拉麺が語源となっていますが、
「拉」とは引っ張るという意味ですので、
本来の拉麺とは捏ねた小麦粉をどんどん伸ばしていき
一本が二本、二本が四本、
千本が二千本となるTVで良く見るアレの事です。

つまり厳密に言えば、包丁や機械で切った麺は
ラーメン(拉麺)と呼んではいけない訳です。

話が逸れました、
今日はラーメンの話ではなく「肉まん」の話です。

実は「老麺」(ロウミェン)と言うのは、
肉まんの皮を発酵させる為の菌がたっぷり含まれた
腐った小麦粉の生地の事です。
いや、腐ったと言ってはいけませんでした、
酵母菌によって発酵した生地の事です。

現代ならパンや肉まんを作る時には
ドライイーストなどを使用しますが、
昔の中国にはそんな便利なものはありませんでした。

ですので、自然に存在している酵母菌によって
小麦粉の生地を発酵させたものを常に大切に保管し、
それを小分けにして新しく作る肉まんなどの生地に練り込み
発酵させ、あのフワフワの皮の部分を作っていたのです。

いや更に元を質せば、
パンでも肉まんでも発酵した小麦粉の生地が
フワフワに仕上がるという現象は
偶然の産物だったとも言える訳です。

つまり、ラーメンやパスタのような
何かの小麦粉料理を作るために小麦粉を練って置いておいた所、
たまたまその付近に漂っていた酵母菌がそれに付着し、
さらに適温で自然発酵したの事が
全ての原点にあると言えるでしょう。

唐時代のお話

揚子江での洗濯から帰ってきたお母さんは、
ラーメンを作ろうと練っておいた小麦粉の生地が
大きく膨らんでいるのを見てたいそう驚きました。

「うちが貧乏だから、
神様が小麦粉を大きく膨らませてくれたんだわ」

神様からのプレゼントだと思ったお母さんは
大喜びですぐにそれを蒸しました。

すると、小麦粉の生地は
いつもの3倍以上の大きさに膨らんだばかりではなく、
その味もいつもよりコクがあり香ばしく、
それはそれはとても美味しいものに仕上がっていました。

お母さんは「これは魔法の小麦粉ね」と言い、
発酵した生地を大事に大事に保管し続けました。
そして新しく肉まんを作りたい時には、
その魔法の小麦粉を少し混ぜ、
しばらくの間洗濯に出かけるようになりました。

その「魔法の小麦粉」こそが老麺なのです。
つまり、肉まんのあのフワフワの生地は
「神様からのプレゼント」なのです。

現代でも老舗の肉まん屋には
その店独自の「老麺」が保管され使用されています。

では、あなたの家独特の肉まんを作ってみましょう。
まず小麦後を水で練って
そのまま屋根裏で一週間発酵させましょう。

あなたの家に浮遊する菌がオリジナルの「老麺」を作ってくれます。
そして、その「老麺」を少し練り込んだ生地を使い、
肉まんを作って下さい。

もしかすると偶然素晴らしい肉まんが出来上がるかも知れません。
ただし、殆どの家庭では
単に雑菌で腐った「老麺」が出来上がりますので、要注意!

肉まんは発酵した皮の芳ばしさが命
 
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2009年2月6日(金)

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