中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第221回
中国料理

今回も「中国古陶磁器に盛って映える料理」
略して、中国料理のコーナーです。

今回は、料理ではございませんが、
中国料理とは切っても切れない関係の紹興酒について
お話したいと思います。

その国の料理はその国の酒と一緒に愉しむのが
一番とよく言われます。

確かに、ワインのないフランス料理なんて考えられませんし、
コーラが無ければハンバーガーや
フライドチキンなんて絶対食べる気が起こりません。

ボルシチと言えばウォッカですし、
刺身には日本酒しか合わないでしょう。

では、中国料理にはどんなお酒が合うと思いますか?
多分多くの日本人は「紹興酒」と答えるでしょう。

でも、中国本土のレストランや家庭で
紹興酒を飲んでいる人を私はあまり見かけません。

北方では白酒(パイチュウ)を飲む人を多くみかけますが、
あれは単に酔っ払いたいが為のもので、
まず一般的に幅広く飲まれているのはビールでしょう。

どちらと言うと、中国料理とお酒の関係は、
『日本⇔日本酒』『フランス⇔ワイン』のような図式が
当て嵌まらない多様性を持っていると思います。

つまり、中国料理は
どんな飲料とでも不思議と合ってしまうのです。

実際、中国では会食の席のお酒の飲み物に
形式ばったマナーなど全くありません。

隣を見れば、高級な赤ワインを
スプライトで割って飲んでいる人もいますし、
ビールに白酒を混ぜている人もいます。

ジュースを飲みながら酒を飲む人もいますし、
刺身を食べながら
中国では定番のココナッツジュースを飲む人もいます。

でも私は断固として、
そのような中国人のお酒文化に反対いたします。

だいたい、最近は減ったとは言え、
なぜいちいちアルコール度数が60度もある白酒で
「ガンペーイ、ガンペーイ」とやらなくてはならないのでしょうか?
あんなもん、一生懸命お酒を造った人に失礼です。
やはり、お酒は料理と共にゆっくり味わって飲みたいものです。

私は以前、内モンゴル民族の偉い人との会食で
「ガンペーイ」を30回ぐらいやらされて
記憶か飛んだ経験があります。

あとから見せられたビデオに、
真っ赤な顔をしながら半裸で
『モンゴルの鷹の舞い』を踊っている自分が写っており、
それはそれはたいそう恥ずかしかった経験があります。

話が逸れました。

そういう事もあり、
私はやはり中国料理に最も合うのは
紹興酒だという結論に達しました。

本来、本格的な中国料理を食べながら飲むお酒は
紹興酒だけで良かったのです。

紹興酒とは麹とモチ米から作る醸造酒の黄酒(ホァンチュウ)を
何年も熟成した老酒(ラオチュウ)の事です。

中でも、浙江省の紹興市で造られた老酒の品質が
素晴らしかった事から、
紹興酒の名前が全国、そして海外にも広がりました。

普通で3年、中には10年とか20年熟成させたものあります。
最低5年以上熟成したものを選んで下さい。

飲み方としては、
前菜系の料理には紹興酒のロックにレモンスライスを浮かべて
サッパリと合わせます。
そして、料理がすすんだ所でストレートかお燗にして飲みます。

日本では氷砂糖や干し梅を入れる人が多いのですが、
最近の品質の良い紹興酒なら
そんなもの入れる必要は全くございません。
もともと紹興酒は糖度の高いお酒ですので
「更に甘くしてどうするの?」と言った感じです。

あと、台湾でよく見かける飲み方ですが、
お燗した紹興酒にタップリと生姜の千切りを入れる方法があります。
私はあの味も好きですし、
とにかくいくら飲んでも二日酔いしないのが気に入っています。

中国の皆様、「ガンペーイ、ガンペーイ」や
スプライト割りワインはやめて、
落ち着いて紹興酒を愉しむ習慣をもっと普及させましょう。

しっかり熟成された質の良い紹興酒は是非ストレートで・・・

 
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2009年3月9日(月)

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