中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第222回
中国古陶磁器 よもや話し

今回は、中国の骨董屋さんの話です。

日本にも多くの骨董屋さんがあります。
それぞれ専門を持ち、伊万里焼に強い店、
中国モノに強い店、韓国モノに強い店、
高級な品しか商わない店、安いモノしか扱わない店、
清濁併せ呑む店、とにかくありとあらゆるお店があります。

いろいろな店はありますが、日本では店舗を持ちながら、
ニセモノである事を100%知りつつ
それを堂々と売っている骨董屋さんは殆どないと思います。

勿論、結果的にニセモノを売っている骨董屋さんも
沢山ある訳ですが、
やはり誰でも自分が売る商品への鑑定は甘くなりがちですので
これは仕方のないところでしょう。
(ただし、ネット販売だけの骨董はこの限りではありません、
悪質なニセモノが多いです)

では、中国の骨董屋はどうかと申しますと、
100%ニセモノと知りつつ
堂々と売っている店などいくらでも存在します。

私の体感的な割合で言えば、
本物しか扱わない店が5%、
本物の方が多いがニセモノも混じる店が20%、
本物とニセモノが半々ぐらいの店が30%、
殆どニセモノの中に僅かに本物が混じる店が20%、
全てニセモノの店が25%・・と言う感じでしょうか。

もし、あまり骨董に詳しくなかったとしても、
お店の雰囲気や主人の人柄などで
本物が置いてある店かどうかはある程度識別できます。

本物しか扱わない店。
これは簡単に判別できます。

まず小さなお店が殆どです。
そして小さくともお店に品格があり、
ビリッとした空気が漂っています。

そして商品が丁寧に扱われ、
高級なケースなどにキチンと保管されています。

そして、一番の特徴は
お店の主人自身が骨董の専門家である事です。
とにかく骨董に詳しく、
こちらが質問するとすぐに正確な答えが返ってきます。

お客が冷やかしでない事を知れば、
裏からどんどん品物を持ってきて自慢げに見せてくれます。
それとこういう店にはまず主人が常駐しています。

つぎに本物とニセモノが混じる店ですが、
中国にはこういう店が一番多いので苦労します。

何故こういう店が多いかと言えば、
一番の理由は本物の骨董を仕入れる事は本当に難しく、
本物だけで広い店を飾る事など不可能に近いからです。

次の理由は、やはりニセモノを売った方が儲かるので、
できるだけ客にニセモノを掴ませたいという事です。

しかし、やはりお客はど素人だけではありません、
本物も混ぜておかなければニセモノが売れません。

もう一つの理由は、
金儲けの為だけに骨董屋を始める人もいるので
本物かニセモノかではなく、
単に価格の高い安いで仕入れてしまう訳です。

つまり売っている本人も
本物かニセモノか分っていないという事です。

こういう店は主人がおらず、
親戚の兄ちゃんや叔母さんなどによって切り盛りされています。

そして、ニセモノだけを並べた店ですが、
これを見分けるのは簡単です。

まず、観光地に近い骨董街などにあり、
隣と全く同じ商品を自慢げに並べています。
そして店員は何も分らない近所のおばさんです。

私の体験上、
本物の骨董を売る店を判別する一番簡単な方法を教えます。

商品を見ているとすぐに「これ良いですよ」とか
「どんなものをお探しですか?」などと話しかけてくる骨董屋は
最初から駄目です。

ずっと黙っていたくせに、
こっちが話かけると嬉しそうに喋り出す骨董屋・・
それもNGです。

本物の骨董屋は、
こっちが店を出るまで一切話しかけてはきません。

「それではいつまでたっても品物が買えないだろ」
と思うのは素人です。

しばらく他の店を回って、
もう一度その店の軒先から店内を覗き込んだ時に
こちらを見て何とも言えない笑みを浮かべているのが
本物の骨董屋さんなのです。

この店に本物の骨董は置いてあるのか?

 
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2009年3月11日(水)

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