中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第223回
中国古陶磁器 名品紹介

今回紹介する名品は以前のコラムでも紹介した
「中国古陶磁器界のウォーレン・バフェット」
と私が勝手に名付けたデイヴィッド・サー・パーシヴァルが
設立した財団が所有するものです。

なぜ、私が彼を
「中国古陶磁器界のウォーレン・バフェット」
と勝手に名付けたと言えば、
一つはその活躍ぶりが
その業界において他を圧倒しているという事。

もう一つは、
収集する中国古陶磁器に「芯が通っている」という事です。

デイヴィッド・サー・パーシヴァルが収集した古陶磁器は
単にキレイだとか、
古いだとかそんな表面的なものではありません。

とにかく、彼が目をつけた品は
その時代や作風を代表するものであり、
他に代替品がない程選びに選ばれたものが多いのです。

だからこそ、もし彼の収集品が市場に出れば
破格の価格がつくと言われています。

特に、デイヴィッド・サー・パーシヴァルは
器体に文字が刻まれているものを好んで収集しました。
今回紹介する品はその中でも代表的な名品です。

この焼き物は11世紀の北宋時代、
河南省にあった鈞窯で焼かれたものです。

一見何に使うか分りにくいものですが、
これは陶枕、つまり陶器のまくらです。

現代人から見れば「こんな硬い枕でよく寝られるなぁ〜」
など思ってしまいますが、
この枕を清朝最盛期の皇帝乾隆帝がこよなく愛し、
それを詩にして枕の裏面に刻み込んでいます。

つまりこの陶枕は、北宋時代に焼かれ、
その後どのような経路を辿ったのか知りませんが、
約700年後の清の時代の皇帝が手に入れ、
たいそう気に入って使用していたという歴史を持ちます。

この古陶磁器をバフェットの持ち株に例えれば、
彼のコカコーラ株と肩を並べる程の名品です。

この澄み切った青色の発色こそが
天青庵の名前の由来となった
「過雨天青」の青色なのです。


乾隆辛丑(1781年)と記された題詞
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「過雨天青」の青色が美しい
このような素晴らしい枕の上では、
目覚めていても眠っていても、
私の心は気ままなものだ・・
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このような内容が彫られている。

 
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2009年3月13日(金)

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