中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第224回
続・中国古陶磁器 名品紹介

今回も、「中国古陶磁器界のウォーレンバフェット」こと、
サー・パーシヴァル・デイヴィットが収集した
古陶磁器を紹介いたします。

今回紹介する大型の瓶は、業界で「デイヴィット瓶」と呼ばれ、
正にサー・パーシヴァル・デイヴィットの名を
世界に広めた代表作です。

しかし代表作と言っても、
この作品の重要性は作品を見ただけではまず分りません。

多分、多くの人は「どこにでもある青と白の焼き物じゃないか」
と思う事でしょう。

では、この作品が中国古陶磁器界において
特別に重要な存在と位置づけられている理由について
説明いたしましょう。

まず、こういう青と白の焼き物を中国では
青花(チンホァー)磁器と呼びます。

中国古陶磁器に全く詳しくない方でも、
この青花磁器を見れば
「こういう焼き物なら何度も見た事あるぞ」
と思われる事でしょう。

それ程、青花磁器は中国で幅広く普及しました。
いや中国国内だけでなく、
青花磁器の技術は海を越え世界各国にも広がっていきました。

それが、伊万里焼となり、あなたのお茶碗となったのです。
またマイセンや破綻したウェッジウッドなども
中国磁器製作技術の影響を強く受けています。

そのような青花磁器ですが、
学会では「一体この青花磁器の起源はいつまで遡れるのか?」
についてずっと議論されておりました。

そして当時「青花磁器は明時代の初期にその技法が完成した」
という説が一番有力だったようです。

陶磁器の起源などを探る手段としては、
年号の刻まれたお墓からの出土、
年号が入った書物と一緒に保管されている、
また窯跡の発掘調査などがありますが、
一番確実なのは器物自体に年号が刻まれている事でしょう。

実はこの青花の大瓶には年号が描かれています。
[至正十一年]つまり西暦1351年、
元時代に焼かれた作品であるという事です。

その事実から、少なくとも1351年には
このような青花磁器が完成されていたという事が分ります。

「至正11年4月吉日
星源祖殿の祭壇、胡浄一元師の御前に献納す」
と書かれてある

この「デイヴィット瓶」に記された
1351年以前の年号が入った青花磁器は
まだ発見されていませんので、
今の所青花磁器が完成された時代を推定する為の
具体的な根拠として
この「デイヴィット瓶」が重要な役割を果たしています。

青花磁器はその後進化し続け
中国のピアノは全て青花磁器製となる(ウソ)

 
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2009年3月16日(月)

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