中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第227回
ハイハイ天さん、天さんデス

○今回の依頼者

[ペンネーム]  T.K
[お住まい]   上海
[趣味] 中国骨董収集
[職業] 某大手百貨店上海支店

○依頼文

いつも、楽しく拝見しております。
さっそくですが、
依頼品は最近上海市内の骨董店で購入したものです。

青白磁か白磁かハッキリと分りませんが
多分南宋頃のものだと思います。

3つのうち、二つの土は赤茶けていますが
一つはちょっと違う感じです。
鑑定願います。

○鑑定結果

掲載が遅くなってすみません。
依頼の品は、南宋〜元時代辺りの青白磁だと思います。

ただし、こういう雑器は
特に焼き上がりの色を狙ったものではないので、
それが青白磁か白磁かについて言及するのは
あまり意味のない事です。

たまたま、窯の中が還元焼成に振れれば
焼き上がりは少し青くなるだけの事です。

裏が赤く焦げたような方は景徳鎮周辺、
画像では分りにくいのですが
粘り気がある灰色の土の方は
越州窯周辺で焼かれた可能性があります。

越州窯は青磁で有名ですが、
雑器では殆ど透明に発色した白磁ぽいものも見かけます。

このような小さな壷が
どのような用途で使用されていたか良く分かりませんが、
以前中国の骨董屋さんから
「こういう焼き物は普通の墓から大量に出土するんだ」
という話を聞いた事があります。

現実に使ったというよりも、
埋葬者があの世で使う為に生活用具を縮小して焼いた
ミニチュアかも知りませんね。

価格はやはり一つ数十元程度のものでしょう。

○結論

こういう焼き物は非常に安い値段で売っています。
ミニチュアとは言え、立派な古陶磁器ですので、
その胎土、釉薬、古色などを勉強するのに最適でしょう。


 
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2009年3月23日(月)

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