中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第231回
中国料理

今回も「中国古陶磁器に盛って映える料理」
略して、中国料理のコーナーです。

今日は、誰もが大好きタンタンメーンのお話です。

最近では専門店もできるほど、
タンタンメンは日本でもお馴染みの中国の麺料理となりました。

しかし、このタンタンメンも中国人から見れば
「天津飯」や「酢豚」や「エビチリ」などと並んで
「これ中国料理じゃないでしょう?」
と首を傾げる代表的な料理なのです。

以前のコラムでも紹介したように、
私は北京で四川料理レストランを経営していた事があります。

実は四川人だと思って雇っていたコックが
全員貴州人で、出していた料理も
「微妙な貴州料理」だったと言う
調理師偽装事件に巻き込まれる事もありましたが、
お店で出していた「担担麺」は結構美味しいと巷では評判でした。

麺好き且つ辛いもん好きの私は、
毎日のように朝・昼・晩と一日3回店の担担麺を食べていました。

毎日、担担麺だけの食事なんてあり得ないと思うでしょうが、
本当に殆ど毎日担担麺を食べていたんです。

なぜそんなに食べられたかと言えば、
勿論美味しかったせいもありますが、
実は本物の担担麺は一人前がご飯茶碗程度のお碗で出される
「中国式激辛わんこソバ」みたいなものだからです。
つまり、小腹がすいた時、
おやつ代わりに食べるにはちょうど良い量なのです。

北京の人は元々麺好きですから、
料理の締めとしてこの担担麺を良く注文してくれました。

確か売値は1.5元だったと思います。
100杯売っても150元・・
チャイナモバイルの株ならたった2株しか買えません。

では、四川人が作る本物の担担麺が
どんなものであるか説明しましょう。

まず、麺。
これは、日本のソーメンに近く、
白くてコシのないもので一瞬で茹で上がります。

そして、汁。
汁はありません。

芝麻醤(ゴマペースト)をベースに
香辛料たっぷりのラー油を混ぜた調味ダレをお碗に入れておき、
その上に茹で上がった麺を入れて、
肉のソボロを乗せてよくかき混ぜて食します。

そんな本物の担担麺で一番大切なのは、ラー油の風味です。
ラー油はもちろん、
四川の唐辛子と花椒を主とした香辛料を使って作った自家製です。

四川産の高級唐辛子は、
辛いだけでなく旨みと甘みがあり、
それでできたラー油に塩を入れ、
そこに茹で上がった熱々の麺を絡め、
葱と香菜をまぶしただけでも大変美味しい麺料理になります。

日本の担担麺は、
飲める程の熱々のスープが入ってる「湯麺」となっていますが、
やはりアレは中国には存在しない和製中国料理なのです。

では、この日本式担担麺を
最初に作った人は一体誰なのかと言えば、
日本式改良エビチリを最初に作った陳建民さんなのです。

陳建民さんは、
当時はまだ本場の四川料理の味に馴染めなかった日本人の為に、
四川料理を食べやすく改良した「日本の四川料理の父」です。

今や、マーボー豆腐などは逆に
本場そのものの味が好まれるまでになりましたが、
その原点は陳建民さんが苦労して
日本にある少ない食材を使い、
日本で四川料理を普及させた事にある訳です。

今後、担担麺に出会った時は、
そんな目で優しく担担麺を見てやって下さい。

これ、普通に日本で食される担担麺
担担麺と言うよりも、ゴマ辛ラーメン

中国の担担麺は汁がなく
小さなお碗で出される
 
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2009年4月1日(水)

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