中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第233回
中国料理

今回も「中国古陶磁器に盛って映える料理」
略して、中国料理のコーナーです。

今回は「青椒肉絲」を紹介します。

いきなり「青椒肉絲」と漢字名で言われても
多くの方はピンとこないと思います。

しかし、カタカナで「チンジャオロース」と言えば、
まず知らない人はいないでしょう。
それ程「チンジャオロース」は
日本で浸透した中国料理となっています。

「青椒」とは中国語でピーマンの事です。
そして「肉」とは豚肉の事、そして「絲」とは糸切りの事です。

つまり、青椒肉絲を直訳すると
「ピーマン・豚の糸切り」という言葉となります。

「青椒肉絲!」何とも分りやすく
男らしい料理名だとは思いませんか?

日本のフランス料理の
「プロバンス密漁師風、深海鮫フィーレのポワレ、
旬の雑草サラダを添えたり添えなかったり・・」
なんて料理がいかにも胡散臭く感じられます。

満漢全席に代表されるような高級中国料理には
もったいぶった長い名前がついていますが、
普通の中国料理の名前は非常にシンプルで、
一見すればおおよそ料理の内容が分かるようにできています。

外国人でも、簡単な中国語を勉強していれば、
中国語のメニューを読みこなすのに
そう時間はかからない事でしょう。

中国料理名で一番多いパターンは、
前に調理法、後ろに主食材名が来るものです。

例えば、皆様が食べた事のないフカヒレの姿煮込みを
中国名では紅焼扒翅と書きますが、
その料理名は紅焼[醤油煮込み]と
扒翅[フカヒレ]を並べただけのシンプルなものです。

また、エビチリは乾焼蝦仁と書き、
乾焼[水分を蒸発させながら煮込む]と
蝦仁[エビ]を並べたものです。

そこで、「青椒肉絲」を見てみましょう。
これは「調理法+主食材名」ではなく
「食材名+食材名」で料理名が構成されてます。

こういう場合、日活映画の主役が二人いて、
どちらの名前をポスターのトップに持ってきたら良いか
決めにくいのと同じだと理解して下さい。

つまり、梅宮と松方のダブル主役のような感じです。
少し前で言えばたけしとタモリ、
現代で言えば、朝青龍と白鵬と言った感じでしょう。

ピーマンと豚肉、どちらが主役という事はなく、
この二つが組み合ってこそ、
この料理が完成とするような場合にのみ、
「食材名+食材名」の料理名が付く訳です。
そのパターンの代表が「青椒肉絲」なのです。

そのパターンの中国料理としては
「蟹粉豆腐」(蟹身と豆腐の旨煮)や
「黒椒牛肉」(牛肉の黒胡椒炒め)などがあります。

では、「青椒肉絲」の簡単な作り方。

1 豚肉は薄めの生姜焼用を糸切りにします。
2 切った豚肉には、酒、醤油、片栗粉で下味をつけ良く揉み、
  最後にサラダ油を絡めておきます。
3 多目の油で肉を軽く炒め、一度取り出しておきます。
4 ピーマンと竹の子をサッと炒め、
  一度出しておいた肉を戻し
  合わせ調味料(酒、オイスターソース、醤油、砂糖、
  スープ、片栗粉、ゴマ油)を加えたら
  強火で鍋を煽って完成です。

奥様、今晩のおかずは「青椒肉絲」に決定です。

 
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2009年4月6日(月)

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