中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第245回
古陶磁器はタイムマシーン(2)

前回のコラムに続き、
今回も1000年以上も前に焼かれた「越州窯」の作品を紹介しつつ、
当時の人々の生活や感性に思いをはせてみましょう。

これは「燭台」です。
可愛い羊さんの体内に油を入れて、
脳天から芯を刺し
明かりをとっていました。
電気のない時代、陽が沈めばそこは漆黒の世界となります。
その中で優しい光を放つ陶器の羊さんは
その光量の何倍も光り輝いていた事でしょう。

これは、「鳥の餌入れ」です。
他の大きな動物に横取りされないような工夫がされています。
鳥がどのように餌を食べていたかは、一目瞭然です。
なんせ、餌を食べる鳥までくっつけてしまっていますから・・

この二つは「尿瓶」です。
昔の家にはトイレはありませんでしたので、
部屋の中では尿瓶に小便をして、
溜まると外に捨てに行きました。
左が動物好きの方専用尿瓶、
右がとにかく量の多い人専用尿瓶です。

これは「痰壷」です。
相当離れた所からでも「カァー、ペッ!」
とできるように工夫がされています。
当時の痰飛ばし競技では4.25m
という最高記録が残っています。

これは「吸のみ」の一種です。
病人などに水や薬を煎じた液体を飲ませる為の道具です。
使い方としては、片手で当該人の頭を少し持ち上げ
「おとっつぁん、死んだじゃ駄目だぁ〜」
と言いながら水を飲ませます。

どうでしょうか?
1000年〜1500年も前の人の生活観や感性を
少しでも感じていただけたのではないでしょうか?

昔の人の生活は、決して不自由で暗いものではなかったのです。
身の回りで使う生活用品一つにしても、
色々とデザインを考えそこに楽しみを見い出すような
豊かな芸術性が存在していたのです。

そういう感性は現代人と全く変わりがないと言うか、
逆に昔の人の方が優れているとさえ感じられます。

 
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2009年5月4日(月)

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