中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第248回
小休止

この原稿を書いている5月4日の中国株、
特に香港上場中国企業株は
印象に残るような大きな騰がりを記録しました。

H株指数は、すでに10000Pに捉える所まで上昇しています。
3月以降の上昇幅は、すでに40%にも達しています。

約2ヶ月で40%の上昇幅・・このような強烈な上昇は、
2000年以降に限定するなら
「B株の中国人投資家への開放バブル」
「06年秋から末への中国企業業績本格化相場」
「07年A株個人投資家急騰相場」
「07年の直通車A-H格差バブル」
の4回ぐらいしか思い出せません。

一体、何故ここまで急激に反騰したのでしょうか?
この株価急騰の原因を探る事によって
今後の中国株投資のスタンスを再確認し、
自分の投資活動に役立てて行きたいと思う今日この頃です。

まず、第一にこのような反騰局面が
09年度の半期ぐらいまでに訪れる事は
多くの人が予測していた事ではないでしょうか?
私もそういう動きになる事を前提にして株をやってきました。

世界的な経済状況が
正に今最悪期を迎えている事を誰もが認知していますし、
そのようなニュースも頻繁に入ってきます。

決して「もう安心だ、景気は完全に底を打ったぞ!」
なんて誰も諸手を挙げて喜んでもいないでしょう。

また「新型インフルエンザ」などと言う
大きな懸念材料も出現しました。
それなのに株価は堰を切ったようにグングン騰がっています。

今年になってからと言うもの、
他新興国市場もそうですが特に中国株のパフォーマンスは
日米などの先進国市場を大きくオーバーパフォームしています。

これには、二つの要因があると考えられます。
一つは、昨年の暴落期に先進国投資家の投資資金が
大量に引き揚げられた事で、
株価の下げ幅が先進国を上回っていた事。

もう一つは、積極的な財政出動による景気刺激策の効果が
他国に先んじて現れ出した事でしょう。

実際、09年の1-3月期の各経済指標の多くの項目で
「景気の底打ち」を示す数字が確認できます。

また、実際に中国企業の経営者達からも
「在庫調整は殆ど完了した」とか
「受注が戻ってきている」などの発言が
多く聞こえるようになりました。

それら、確かに株価が高騰する要点はあるのですが、
それにしても足元の株価の推移には過熱を感じます。

この過熱について思うのは、
やはり我々のように昨年の大底から何とか相場にしがみつき
「安値は買い」「安値は買い」と
念仏のように唱えつつ必死に株をやってきた人の思考と、
世界を徘徊する投機マネーを操る人の思考の間には
大きな隔たりがあるのではないかという事です。

やはり、世界の流動性資金は
基本的に活況を呈する兆しが見えてきた市場に対し、
順張りと言うか「より確実性を求めて乗っかる」
という手法をとります。

そういう意味から言っても、現状の相場は
『騰がるから買う、買うから騰がる』
というシンプルなバブル的構造の相場になりつつある
と言えるでしょう。

もちろん、株価がこのまま何事もなかったかのように
順調に07年の高値を目指すような動きになれば
それに越した事はありませんが、
そんな簡単に行く事はまずありません。

では、そのような動きに対して我々に何ができるかと言えば、
今後一つの大きな流れとしては
株価は騰がっていく方向にある訳ですから
少々の波に翻弄される事なく
来年再来年見据えてしっかりと銘柄をホールドしていく事。

それと更に欲が強い人は、
世界の流動性資金の波をしっかり捉え、
あまり欲張り過ぎずに彼らとは
一線を画する対応をしていく事で
また大きなチャンスを得られるのではないでしょうか?

 
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2009年5月11日(月)

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