中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第263回
高額中国古陶磁器より

いきなりですが、下の3つのモノには共通点があります。
さて、それはなんでしょうか? よく考えて下さい。

世界に先駆けて上海モーターショーで発表された
ポルシェの最新機種「パナメーラ」

万科企業が売り出した、豪華マンションの一室
各所に中国骨董が配され、とってもエレガント

清朝康熙期官窯 釉裏紅加彩花開紋石榴尊
高さ8.4cm

正解を言います。
上の3つの共通点はどれも価格が約2000万円だという事です。

もしあなたが今2000万円を自由に使えるとしたら
どれを買いますか?
普通の人は、まずマンションでしょう。
そして車好きならポルシェですか。

たった8cmの手の平にすっぽりと収まるような
小さな壺を選ぶ人はまずいないでしょう。

8cmで2000万円、1cmあたり250万円の計算です。
しかも小さいばかりでなく、
大きな余白の中で控えめに赤い花が咲いているという
地味な色絵の作品ですので、
一般の方に高値警戒感がでるのは当然です。

しかし、金持ちの古陶磁器ファンにとっては
この小さな壺がポルシェや万科なんかとは比べられない程
貴重な物なのです。

車やマンションはいくらでも量産できます。
でも、この8cmの小さい壺は
世界にたった一つだけしかありません。
スマップ風に言えば「世界に一つだけの壺」となります。

でもいくら世界に一つしかないと言っても、
どんなものでも2000万円にはなりません。

当たり前ですよね。
では何故この小さな壺にこんな高値がつくかと言えば、
一番の理由はその作品自体が持つ芸術性が
他に類を見ない程素晴らしいと言う事、
そしてもう一つは中国清朝官窯の歴史の中において
その創生期とも言える康熙帝の時代のものであるという事、
さらにこのような小品は皇帝自身が愛玩する為に焼いた
数少ないものだという事です。

私は最近吉利汽車の株で儲けましたので
2000万円をすぐに使えますが、
もし今選ぶとすれば
間違いなく「世界に一つだけの壺」を買います。

何故なら、パナメーラはポルシェを
無理やり4シートにした感じでそれなら他の車を買うし、
中国の高級マンションは細部の仕上げが悪いのと
価格的にいつ暴落してもおかしくないからです。

それに比べ、この小さな壺は買う事にさえ成功すれば、
後は殆ど間違いなく価格が騰がり続けます。

 
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2009年6月15日(月)

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