第264回
実践! 中国古陶磁器の購入の仕方
さすがに1年半このコラムを見て下さった方の中には
「それほど言うのなら一度中国古陶磁器を買ってみようじゃないか」
と思う人も一人二人いるのではないでしょうか?
是非、買ってみて下さい。
株も収集の趣味も最初の一歩は
「まず買ってみる」という事から始まります。
いくら書籍やネットで勉強しても
そんなものは全く実践には役立ちません。
実際に一つ買うという行為から全てが始まるのです。
一つ買えば、その最初の一品を出発点として、
その世界が無限に広がっていきます。
どんどんその世界を知りたくなりますし、
どんどん勉強していきたくなります。
でも、いきなり何を買ってよいか分りませんよね。
株なら、適当に人の真似をして買ったら良いのですが、
骨董はそうはいきません。
また、本物を扱っているような
日本の骨董店の敷居は高く感じられ、
初心者が気軽に買い物できる雰囲気ではありませんよね。
私も一流店の前で腰が引けてしまい、
その店の回りを何度もグルグル回ってから
思い切って入店した経験があります。
でも、安心して下さい。
中には、なかなか口を開かない店主の店もありますが、
本気で何かを探しているのなら
骨董店の店主はあなたを優しく迎え入れてくれます。
骨董屋さんと普通の商店には大きな違いがあります。
骨董屋さんの多くは、商品を売るだけでなく
自分自身も骨董を愛するコレクター出身である場合が多いのです。
魚が好きで好きで仕方ないから、
魚屋さんになった魚屋さんは少ないけども、
骨董が好きで好きで仕方ない人が
気がつけば骨董屋を営んでいるケースはよくあります。
ですので、遠慮せずどんどん店に入り
どんどん初歩的な質問をしていけば良いのです。
基本はそういう事ですから、
もっと具体的な話に進みましょう。
まず、骨董屋さん探しですが、
日本中の骨董屋さん
(特に東京・大阪・京都など)を紹介する本が出ています。
また、最近ではHPを持つ骨董屋さんも増えたので
ネットで検索する事も可能です。
その中から、中国古陶磁器を扱っているお店を探しましょう。
中国古陶磁器だけを専門に扱っているお店は多くありませんが、
数的に言えば日本の古陶磁器の次に数が多いのが
中国古陶磁器ですので、
多くのお店で中国古陶磁器を扱っています
でも、あくまでも入門ですので、
いきなり唐時代や宋時代の陶磁器を探すのは無理があります。
まずは明時代の古染付け(こそめつけ)を買いましょう。
明時代の古染付けは、
中国からの輸入品でしたのである程度の数が残っており、
価格的にも珍しいものでなければ
そんなに高いものでもありません。
身近な骨董屋さんに入って、
「中国の陶磁器を勉強しようと思っているのですが、
古染付けは置いてありますか?」と店主に尋ねて下さい。
そして、いくつかの骨董店を回って
なんとなく気に入ったものがあれば是非購入して下さい。
価格的にはまず数万円から
30万円ぐらいのものが適当だと思います。
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こんな感じの白地に青い図柄が描かれてあるのが「古染付け」
日本専用の輸出品で中国にも他の国には存在しない。
釉薬は剥げ落ちやすく作りも精巧ではない。
図柄も漫画チックなものがあり楽しめる。
その崩れた感じが日本の詫び寂びの精神に通じ、
茶道具として愛用された。
山口県立萩美術館・浦上記念館の収蔵品より
紹介リンク
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