中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第275回
中国古陶磁器 おさらい

さて、「中国古陶磁器 そのロマンを求めて」と題した
本コラムも残す所あと三回となりました。
今回は最後にもう一度
「なぜ中国古陶磁器にはロマンがあるのか?」
という事についておさらいしておきたいと思います。

まず、私が言いたいのは、
私がロマンを感じるのは中国古陶磁器だけであって、
日本の古陶磁器やヨーロッパの古陶磁器には
全くそれがないという事です。

では、なぜ私が中国古陶磁器だけにロマンを感じるかと言うと、
それにはハッキリとした具体的な理由が3つあります。
この3つの理由を理解してこそ、
中国古陶磁器の収集に意欲が涌いてくるのです。

<中国古陶磁器だけにロマンがある3つ理由>

1 現在、世界中に存在する陶磁器の原点は中国にあり、
  その後各国で発展した技法についても元を質せば
  中国で発明されたものである。
  つまり、全ての陶磁器のルーツは中国にある。
  ちょっと語弊があるかも知れないが、
  中国以外の陶磁器は全て中国製のコピーなのだ。

2 例えば、日本において骨董と呼べるものの殆どは、
  すでに掘り出されてしまっている。
  旧家に伝世してきた名品はすでに博物館に収められたり、
  世界のコレクターの手に渡り、
  初見の名品を見る機会など全くなくなった。
  つまり、新しい発見や発掘、簡単に言えば
  「大堀出しモノ」などもはやあり得ない。
  それに対し、広大な中国にはまだまだ土の下や
  地下宮に埋まったお宝が掘り出される可能性が高い上に、
  過去に流出した皇帝の収蔵品などが回り回って
  自分の目に触れる機会もないとは断言できない。
  つまり、鵜の目鷹の目で探し続ければ、
  いつかは本当に貴重な掘り出し物に
  巡り会える可能性が僅かに残されている。

3 欧州では皇族用として作られた磁器、
  例えばマイセンやロイヤルコペンハーゲンなどの
  高級磁器には高い価格がつく。
  また日本でも桃山時代の茶道具などは驚くほど高額だが、
  国際的なオークションで落札される
  中国古陶磁器の逸品の価格はそれらが遠く及ばないもの。
  元来、中国古陶磁器には、香港、台湾、
  また欧米の熱心なコレクターが多い上に、
  近年更に中国本土のコレクターも参入して、
  一線級古陶磁器の奪い合いの様相を呈してきている。
  つまり、中国古陶磁器は単なる美術品ではなく、
  投資の対象としても現在世界で一番有望だと思えるのである。

長々と説明いたしましたが、
自分の書いた文章を簡単に訳しますと・・

1 まず焼き物自体が独創的。 

2 まだまだ掘り出し物を手にするチャンスがある。

3 もし偶然、掘り出し物を手にできれば、
  破格値で売れる可能性もある。

中国古陶磁器のロマンとはそういう事です。

これは中国株投資にも完全に通じる所があります。

1 もともとは、世界一の大国であり
  先進国だった中国の潜在力は計り知れない部分がある。

2 まだまだ、世界的に見ても大きく伸びていく企業に
  投資できるチャンスがある。

3 もし偶然、そのような企業に集中的に投資できれば、
  人生が変わるほどの大金を手にするチャンスがある。

どうでしょうか?
唐時代から清時代までの長期に渡り、
世界の最先端を走り続けてきた中国。

そしてその最先端技術の集大成とも呼べる中国古陶磁器、
その中国古陶磁器に興味を持つ事で
中国という国や中国人に対する理解はどんどん深まっていきます。

「その国を知るには、まず文化から」とよく言いますが、
中国を深く知る為には世界中で「China」と呼ばれる
陶磁器の歴史を知る事が一番だと私は強く思います。

数ある中国古陶磁器の中でも
至高の逸品と呼べる「汝窯」の青磁碗。
汝窯はおよそ1000年前の北宋初期、
中国初の官窯(皇帝直属の窯)として誕生した。
土と石と灰だけでこの天青色を生み出した陶工の苦労は
計り知れない。
この頃、他国ではまだまだ土を捏ねたような
幼稚な陶器を使用していた。

台湾故宮博物院 収蔵品
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2009年7月13日(月)

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