中国民俗研究家・上田尾一憲が語る、中国民俗の魅力

第54回
リストラされた・・・。

范蠡は越王からのお話を断り、これまで
築き上げた名誉も地位もすべて捨てて越の国を離れ
斉にでも行って暮らそうかと考えていました。

そして、その出発の際に范蠡は元同僚の大夫種へ
「飛鳥尽きて良弓蔵われ、狡兎死して走狗烹らる」と
手紙を残して越の国を去ったのです。

この范蠡が大夫種へ送った手紙は
飛ぶ鳥がいなくなれば良い弓は収められ、
ずるい兎が死ねば猟犬は煮て食われてしまう、
つまり、敵国が滅びれば、それまで手柄を上げた謀臣は
邪魔者にされ殺されるというのになぜ早く逃げないの?って事です。
この手紙を読んだ大夫種は、范蠡の言う事も確かだ
私も早く越の国を去らないとな〜っと思っていた矢先に
越王勾践から贈り物をいただきました。
その贈り物とは・・・一本の剣。
勾践は大夫種の才能を恐れ、謀反でもされたら
たまったものではないと思い、
彼に死んでもらうことにしたのです。
気づくのが少し遅かった大夫種、
その後、命令通りに自害したのでした。
かわいそうな大夫種・・・。
しかし、この様な事は昔からずーっと
あった事なのです。それに気づかなかった
大夫種もちょっと失敗ですね。

この大夫種のお話は今で言うリストラですね。
あなた良く頑張りましたが
もう必要ありません。さようなら。って感じです。
さすがに殺されはしませんが、
今までお国の為、会社の為に汗水流し
時には命を懸けてがんばった結果がこれです。
会社もいらない者はいらないのです。
私も時々、いや、1回だけこんな夢を見たことがあります。
う〜ん・・・世の中怖いですね。
がんばらないと・・・。


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