中国民俗研究家・上田尾一憲が語る、中国民俗の魅力

第56回
昔の?お金儲けの原則。

范蠡(はんれい)は陶においても
お金を儲けることが上手であると
たちまちみんなの噂になりました。
范蠡がこの陶の地を選んだのには
大きな理由があります。

陶の国の四方にはそれぞれ国があり
陶はちょうどそれらの中心に位置する
交通の要所であり、物資の流れの中心だったので
この様な地を選び、范蠡はお金儲けの原則に則り
財を築いていったのです。
その范蠡のお金儲けの原則とは
越の勾践に仕えていた文官であり、
范蠡の師でもある計然(けいぜん)から
教わったものでした。

その計然は
「物資は互いに交易しなければならない。
傷んだ物は自家用で消費するが、
高価な物をとどめおいてはいけない。
物の値段は、それが余剰であるのか
過不足であるのかを考えれば、
自ずと見えてくるものである。
高値が極限に達すれば安値に帰り、
安値が極限に達すれば高値に帰る。
つまり高値のものは、
汚物を捨てるように売り出し、
安値のものは珠玉を求めるように大切に買い入れる。
貨物と金銭は、流水のように滑らかに流通させるべきである。」と
2000年以上も前の経済学者はこの様に説いているのです。

この計然が今の時代に生きており
株なんかをやっていたら、
結構儲かってるかもしれませんね。
(そんなに上手くはいかないかな?)
まあ、この時代ではこの計然のお金儲けの
法則は非常に重視され、
越の国もこの計然の法則を用いて
豊な国へと変わって行ったのです。
范蠡はその計然の金儲けの法則と
地の利を利用して
ここ陶においてもあっという間に
大富豪となったのでした。


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