中国民俗研究家・上田尾一憲が語る、中国民俗の魅力

第78回
自社戦力を検討するの5つの条件。

前回説明したように
「不可不察也」と記してあるように
徹底的に研究、分析しなければならないのですが、
その後に続くのが

故にこれを経るに五事を以てし、
これを校ぶるに計を以てして、其の情を索む。
一に曰く道、二に曰く天、三に曰く地、四に曰く将、五に曰く法なり。

そこで、その見通しを立てる為に、
5つの条件を敵国と比較し、自国戦力を検討しなければならない。 
その5つの条件とは、「道」、「天」、「地」、「将」、「法」であると
記されています。

さて、この5つの条件ですが、これだけでは何の意味か
よくわからないのでご説明します。
まず、

「道」とは大義名分のことを表します。
民と君主とが心を一つにしていれば
民も恐れることなく君主と共に生死をともにできる。
心理的条件の事。

「天」とは天候、季節、寒暑等の時期的条件の事。

「地」とは距離やその地形の状態など地理的条件の事。

「将」とは智略、信義、仁愛、勇気、威厳これら将としての
資質、器量に関わる人的条件の事。

「法」とは軍の編成、責任分担、管理などの規範的条件の事。

そしてこの5つの条件は将であるものならば
誰もが知っている事だが、
これを本当に理解している者が勝利を収め、
いいかげんに理解している者は勝利を収めることはできないと
記されています。
う〜ん。この戦力を検討する5つの条件。
現在の会社にも
そのまま当てはめて考えることができますよね。
人それぞれ捕らえ方が違うかもしれませんが
「道」は社長が君主で民が社員。
社長と社員の目指すものや気持ちが一つになっていれば
社員もこの会社と生死を共にできるはず。

「天」季節、イベントデー等の時期的条件。
「地」立地条件。
「将」自社の人的条件。
「法」社内での役割分担や規律などしっかりと作られ守られているか。
これらは会社を管理する者であれば誰もが知っている事ですが、
これをハッキリと明確に理解していないと勝利できないと
孫武は2500年前から言っているのです。
自分なりにアレンジして当て嵌めて見て下さい。


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2006年10月12日(木)

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