中国民俗研究家・上田尾一憲が語る、中国民俗の魅力

第81回
5種類のスパイ。

情報収集が非常に大事だということはわかりました。
そんなこと言われなくても
大事なことくらいわかってるよ
と思う方もいるかもしれませんが
その情報収集が大事という意識をさらに強くしてください。
大事な兵(お金)の命がかかっているのですから。

さて、その情報収集をするには、
どのような方法があるのか
孫武は用間篇に記してくれています。

明君賢将の動いて人に勝ち、
成功衆に出づる所以の者は、先知なり。
先知なる者は鬼神に取る可からず。
事に象る可からず。度に験する可べからず。
必ず人に取りて、敵情を知る者なり。
故に間を用うるに五有り。
郷間あり。内間あり。反間あり。死間あり。生間あり。

明君、賢将と呼ばれた人達の勝利の裏側には
相手の情報を先に知るといった事実がありました。
しかし、先に知るというのは、
占いによって神に聞くのではなく、
状況で分かるというのでもなく、
経験からそれを知るというものでもありません。
必ず人の手、つまりスパイによって
もたらされるものなのです。
そして、そのスパイには5種類存在します。
郷間、内間、反間、死間、生間の5つである。
字だけだとこの5種類は何の事だか
さっぱりわかりませんね。

「郷間」とは敵国の領民を使ったスパイ。
これだと敵国の事(方言も含める)を
よく知っているのでばれにくい。

「内間」とは敵国の中枢にいる者を買収して自国のスパイとする。
相手は「ブルータスよ、お前もか」状態になります。 

「反間」とは敵がスパイとして自国に送り込んできた者を
手なずけて逆用する事。
自国のスパイがいつの間にか相手国のスパイに。
これはたまりません。

「死間」死を覚悟して敵国にてニセ情報を流すスパイ。
命をかけてホラを吹きまくります。バレると即死刑。

「生間」敵国の情報を探り、生還して情報を報告するスパイ。
生きて自国に情報をもって帰らなければならないため
情報集めも慎重です。

以上が孫武の言う5つのスパイ。
これを現在のビジネス、投資に使うのは
少しやりすぎだと思いますが・・・。
しかし!それだけ情報収集は重要だという事です!!
あらゆる手段を使い、より多く、より正確な情報を
集めることが成功への道となります。
加油!!(中国語で頑張れ)

 


←前回記事へ

2006年10月19日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ