中国民俗研究家・上田尾一憲が語る、中国民俗の魅力

第94回
世界一キザな男。

北京にある老舎茶館と呼ばれる劇場茶館に行った時の事。
その茶館は、中国ムード満点で
食事を終わらせた家族や
観光客の人たちでいっぱいでした。
そこの茶館はお茶を飲みながら
京劇や手品それに漫才を見たり、
歌や中国楽器の演奏を聴いたりと
とにかくどっぷりと
中国につかることの出来る場所でした。

まず、席に座ると
お茶菓子を出してくれます。


お饅頭みたいなものや
山査子(サンザシ)飴
それに中国語で開心果(心を開く果実)と
呼ばれるピスタチオを食べながらお茶を飲むのですが、
そのお茶を入れてくれるお兄さんが
なんとも「キザ」な野郎なのです。
お茶を注ぐときに毎回毎回
これでもかというくらい大袈裟な
ポーズを決めて注ぐのです。


このお兄さんはポーズを決める前に
口の長いヤカンをグルグル回したりして
踊ってから最後にビシッとポーズを決めてから
お茶を注いでくれます。
油断しているとヤカンの口が
刺さってしまいそうなくらいです。
時には太ももに茶碗を載せて
注いでくれますが、その時はもう
足がプルプル震えていて
見ているこっちが
ドキドキハラハラさせられます。

今回は何事も無く無事に終了しましたが
恐らく何回に1回は茶碗を落として
いるのではないでしょうか。
しかし物凄く一生懸命なのが伝わってきて
あのお茶を注ぐ姿に一人で感動していました。
彼は毎日、ヤカンを持ってクルクル回して
ポーズを決める練習をしているのだろう・・・。
がんばってもらいたいです。
でも良い子は真似しないでください。
非常に危険ですから。


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2006年11月18日(土)

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