伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第75回
「ジャガイモが主食」と言わないで

白アスパラガス、必須の付け合せは「ジャガイモ」です。
「こんなに美味しいジャガイモは生まれて初めて。
さすが、ジャガイモが主食のドイツですね!」
と美味しさに思わず感激の声を上げました。
でも、居合わせたドイツ人から
「ジャガイモは大好きだけど、
私たちの主食ではありません。」
とすぐに否定されました。

「何を主食と言えばよいでしょう?」と重ねて聞けば、
「小麦です。パンやパスタで食します。」
確かに他所にはないドイツ・パンのスタイルがあり、
南ドイツ方面を中心に、イタリア版とは異なる、
ドイツ版の太麺パスタもあります。
小麦が生え、食料豊かな今日のドイツでは、
今やじゃがいもが主食とはいえない、
というのが、その理由でした。

今も多くのドイツ人が愛しているジャガイモは、
日本で好まれている男爵や
メークインの種類ではありません。
ホクホク感は冷えてしまうと旨みを再現しにくい上、
でんぷんがポロポロ崩れてしまう感触が
あまり好まれていません。
また、メークインではシャリシャリしすぎなようです。

ねっとりとしたキメ細かな粘りがあり、
茹でたてはもちろん、冷えても食感が美味しく保たれる。
肉汁を絡めると美味しいクヌーデル(ジャガイモ団子)や
ピューレ(裏ごしジャガイモ)も作れる。
スライスしてバターで焦げ目をつけるようにして炒めると美味しい。
パンケーキに焼いて粉砂糖を振ってお菓子としても食べる。
そういう種類のものです。

ここで、ドイツで食べられている
ジャガイモの種類は何々、と明らかにできればよいのですが、
私では、どうも上手に言葉が見つけられません。

良い記事ないかなと探してみると、ありました。
恐らく、ドイツで一番よく愛されているジャガイモは、
古川修さんが第374回のコラムでお書きになっている
この系列のジャガイモでしょう。
日本のじゃがいもと同じく皮が黄色いものもありますが、
うっすら紅色から、濃いワインレッドまで
色素の量によって、見た目が少しずつ違います。
私は、うっすら紅色のものが、今のところ、
甘みがほどよく一番美味しい気がしています。
茹でても皮付きの丸ままを食卓に供することは少なく、
必ず皮を剥いてから皿に乗せるのが一般的です。


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2007年4月27日(金)

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