伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第90回
ほっぷすてっぷスランプ

第84回に記したように、
日本の外に住まなくてはならないかも、と言われたのが
外国に移り住むことになる一番最初の出来事でした。
でも、将来のいつ、どのように、どういう形で
どこに住むのかは、全く分らないままでした。
何も具体化しない間は、どうすることもできません。
本当に何も分らぬ不安な状態が何年か続きました。

もしも、そのとき外国に住むのが怖いと思うなら、
何も見えてこないという不安から抜け出すためにも、
日本の中で新たな道を探せば良かった、かもしれません。
でも、精神的に落ち着かないながらも
怖くて逃げ出す気には不思議となれませんでした。
その間、不安をかき消すために唯一できたことは、
邱先生のこのホームページにある、
あらゆるコラムを毎日、読み続けることだけでした。

このホームページと私との出会いは、
邱世賓さんのコラム「ほっぷすてっぷスランプ」の
記事をネット検索で見つけたことに始まります。
本当に幸いなことに「もしかしたら、日本の外に…」
と言われるよりも、まだ前のことでした。

私の人生これでいいのだろうか?と
一時、落ち込んでひどく悩んだときに、
自分の性格、長所・短所…を分析するホームページを
片っ端から探し読んで回りました。
そのときに、これだ!と唯一、ピンときたのが
世賓さんのコラムで、繰り返し読みました。
そして、いつしかこのホームページの完全な虜になり、
読者の一人になりました。

でも、邱先生のご本を読んでいたのはもっと前なのです。
若い頃にはそれなりの野心がありましたので、
受験勉強が片付いてほっとした頃や、
就職難の学生時代に少しずつ
邱先生のご本を読んではいた様子なのです。
また、就職してすぐ、直属の上司が、
「サラリーを貰って生活する身なら、若いときから
もっとお金の勉強をしなければならない」と繰り返す、
今から思うととても稀な方でしたので、ますます、
そういうお金に関する本ばかりを読むことになりました。
邱先生のご本はそのお金に関する情報の一部でした。
そういう若い時代に、私は、邱先生のご本の内容を
きちっと把握できるほどの才能を持っていなかったのです。
私には大失敗が無い代わりに、大成功も無かったのですから。

その後、ドイツ行きの何もかもが決まったとき、
日本の書籍だけはたくさん持っていきたいと、
船便に乗せる本を探して、
倉庫の奥の古いダンボール箱を開けました。
すると、若い頃に読んだ邱先生のご本が
次から次へと出てくるではありませんか。
えぃと気合を入れ直して、
全てドイツ行きの箱に詰め込みました。


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2007年6月1日(金)

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