伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第206回
1歩も譲れない話でした

「アジアから個人でぽっと出てきて
ドイツに住むのは並大抵じゃないのよ!」
と周囲に一生懸命、説明し始めました(197回)。
それを最後まで聞いてくれた方々からは、
少しでも助けになるならばとサポートの提案がありました。

しかし、どの提案も暮らし良くなる助けにはなりません。
こちらは、「ドイツを立ち去るのもやむを得ない」
と決心するところまで、腹をくくっています。
今更、中途半端な提案を受け入れて、
ドイツで高額出費を続けながら
我慢をしている理由はありません。

この頃、「ヨソ者には、そう簡単には儲けさせない!」、
「絶対に儲けさせてなるものか!」という
ドイツ社会の強い競争主義のシステムにも
ようやく気が付き始めていました。
こんな激しい競争社会でサポート提案を受けられるなんて、
100歩譲れば、夢のような有難い話でした。
しかし、ほぼ全額の生活実費を丸2年も
自腹で支払っている身には、
何故、そこまでしてドイツに居なければならないのか、
腑に落ちなくて1歩も譲れない話でした。

何かが根本的に解決しないと、ドイツに居続ける意味がない。
その肝心な部分を周囲に分かってもらえない。
解決の糸口が全く掴めない、そんな状況でした。

気がついてみると、
1つ提案が示されると聞いては、
その詳細を聞き、その詳細を聞いては、
それを理由を述べて断る…、次の提案を聞く。
これを2ヶ月以上繰り返していました。

いつまでもラチが明かない様子をみて、
相手もだんだん嫌になってきたことでしょう。
これじゃ「話し合い」にならないじゃないか、と
気色ばむのがだんだん見えてきます。
こちらも、何故、これが理解できないのだ!
という気持ちが募ります。

あれほど、「欧州人とはケンカするな」と
肝に銘じていたのに、ふと気がつくと
こちらも相手も互いに
無言でコブシをぐっと握りしめていました。


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2008年2月27日(水)

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