服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第879回
またひとつ良い勉強です

今回は、日ごろご愛読下さっている読者の
柚子 様から
第874回 「汗よさようなら、サラサラよこんにちは」について
感想メールをいただきましたので
そのご回答を掲載させていただきます。


■ 柚子様にいただいたメール
件名:オーデコロンをつける場所

出石様

いつも楽しく拝見しております。
またいつぞやは、コーデュロイのお話で
私がメールを差し上げました際、
ウェッブページ上で
出石様からのご丁寧なご返答をいただきまして
ありがとう存じました。

暑いときでも心がけ次第で
涼しげにすごすことができる、
という今回のテーマもとても参考になります。
クールパウダーシートも
今度ぜひ使ってみようと思います。

さて、洗顔のあとに
オーデコロンの一滴でさわやかに
というアイディアは素敵なのですが、
オーデコロンも含めて
香水類は直接日光のあたる部分につけると
皮膚に色素沈着をおこす可能性がある、
と聞いたことがあります。

男性はシミなどあまり気にされないかもしれませんが、
オーデコロンは衣類に隠れた部分等に
おつけになるのがよろしいかもしれません。

それではまた楽しいお話を楽しみにしております。

柚子


■出石さんからのA(答え)

ご丁寧にもお便りを下さり
ありがとうございます。
また日頃からお目通し頂いているご様子にも
重ねて御礼を申上げます。

柚子様ご教示くださいました通り
パルファン(香水)の使用には
いくつかの注意が必要です。
たとえば白い絹のブラウスに
香水(パルファン)をつけると、
あとでシミになって残ることがあります。
香水は本来、約30%前後の香料と
70%前後のアルコール分が主成分とされます。
一方、オーデコロン
(フランス語ではオー・ド・コローニュ)は
もともと3%前後の香料と
93%前後のアルコール分とから成っています。
この中間の存在として、
オードトワレがあることもすでにご存じの通り。

ただし柚子様ご指摘のように、
ひと口に「オーデコロン」と言っても、
本来の意味でのオーデコロンもあれば、
かなり濃度の高いものも
「オーデコロン」と呼ばれる場合もあります。
つまり、アフター・シェイヴ・ローション代りに使える
オーデコロンばかりではないのです。
その意味では柚子様のご忠告に
しっかり耳を傾けるべきでしょう。

もしかすれば
私の顔が浅黒いのも、そのせいかも知れません。
もっとも私の場合、もうひとつの、
飲むほうのアルコールの影響なのでしょうか。
今後は柚子様のお言葉を信じて、
いずれのアルコール分にも
節度をもって親しみたいと思います。

たぶん香水の最盛期は17世紀のようで、
たとえばマザラン宰相は
浴びるように使ったと伝えられています。
つまりこの時代は男も香水を使ったのです。
けれどもその一方で、
使うがごとき、使わないがごときの
パルファンもありました。
むかしの女性はよく卒倒したものですが、
この時の気つけ薬として、
香水のふたを開けて、
その匂いを嗅がせることがあったそうです。
なぜそんなに女性はよく倒れたのか。
ひとつにはコルセットが
あまりにも窮屈すぎたからだと言われています。

今、女性が倒れることは珍らしく、
男が香水壜を持ち歩く必要もなくなりました。
せめて淡いオーデコロンを
そっとたしなむことに致しましょう。


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