中国って、本当のところどうなの?

第69回
なぜ清華大卒が中国政府に多いのか?

昨日一昨日と山西省の炭鉱を見てきました。

実は、山西省は石炭を使った
電力発電で全国的に名を知られた省です。
自分たちで使うだけでなく、
近隣の省にまで電力を供給している、
いわば「電力発電省」なのです。

政治・学術の中心である北京市へも
山西省は電力を供給しています。

北京市と山西省は約300キロ離れていますが、
北京市の住民が電気を使った生活を享受できるのは、
山西省の皆さんが、
せっせと電気を作ってくれているお陰なのですね。

さて、都市部である北京・上海の
空気が汚いことは有名です。
しかし、大都市とはいえない山西省でも、
石炭を燃やして電力発電をしているため、
北京・上海と比べても、更に空気が汚染されています。

山西省は、自分たちの暮らす地域が汚染されても
他省に電力を供給し続ける、
ある意味でとても献身的な省なのです。
電力を供給される側の省にとっては、
是非とも仲良くしておきたい省のはずです。

今回、清華大学の学生団体が
山西省を訪れるということで、
省市である大同市で、
市政府の高官たちとの懇談会が開かれました。

蓋を開けてみると、大同市の市長はおろか、
出席していた市政府の高官たちは、
なんと全員が「清華大学の卒業生」でした。

なぜ理系の清華大学の卒業生が政府高官に多いのか?
それは、中国のこれまでの国家運営体制と
大きく関係があるでしょう。

つまり、国営で全てが運営されてきた
かつての中国において、
モノを供給することのできる工場は
非常に重要な存在でした。

そして、工場では、
自然と理科系の人間が力を持つようになり、
要職を任せられるようになっていったのです。

モノを供給する力のある工場の責任者から、
中央政府の高官に至るまで、
中国の政府に理科系の人間が多いのは、
こうした理由があるといいます。

現在の中国政府をみてみると、
国家主席をはじめとして、清華大学卒で
エンジニアのバック・グラウンドを持つ官僚が
幾つかの要職を占めていますね。


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