第279回
東北ではサンダースより李先生
中国でもマクドナルドや
ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)といった
アメリカのファスト・フード店は
「少し高めのお洒落なお店」という認知のされ方で
しっかりと根付いている感があります。
また、これらに類似した亜種(永和大王・李先生)も
活動を本格化させており、
似たようなブランドも息巻いているといった
ファスト・フード戦国時代にあるといえるでしょう。
先日、東北3省(黒龍江・吉林・遼寧)を見て周り
一つの事実に気づきました。
東北ではサンダースの侵攻を李先生が抑えている!
以前、天津の目抜き通りにある
李先生を紹介しました。(第250回)
北京では余り見かけることの無い李先生ですが、
東北3省を見る限り、アメリカのサンダースよりも
李先生と街中で顔を合わす確率の方がずっと高いようです。
近頃、北京駅の構内には、
大きなKFCがオープンしたばかりですが、
東北3省のハルビン・長春・沈陽といった
主要駅の近くには、サンダースの笑顔ではなく
李先生の顔が確認できます。
一昔前までは「打倒 美帝」などと
日本同様に反アメリカのスローガンがあった中国ですが、
近頃は仲良しを演出する傾向が政府の外交にも目に付きます。
先日の中国首脳の訪米では、
「中国とアメリカはアジアのファシズム(日本)と
戦った同盟国である」とまで言っていますから、
その時々に政府が掲げる言葉はあてになりません。
以前の敵国アメリカから忍び寄る
サンダースの不敵な笑顔を抑え、
中国の東北3省では李先生が
「アメリカのカリフォルニア・ヌードル」という
触れ込みで、中国人の胃袋に滑り込んでいます。
世界的にケンタッキーという地名を有名にしているのは、
紛れも無くKFCというファスト・フード店でしょう。
中国においてカリフォルニア州を有名にしているのは、
ひょっとしたら李先生なのかもしれません。
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