第290回
中国の鉄道事情:軟臥
昨日・一昨日(前回・前々回)と
中国の鉄道事情をお伝えしています。
今回は中国の鉄道の中でも
最も料金が高いクラスにある
(5)軟臥の車両をみていきましょう。
軟臥の車両は、
「軟らかいベッド」の車両ということで、
中国の鉄道車両の中では高級クラスです。
(4)硬臥が6つのベッドで
一区画が構成されているのに対して、
(5)軟臥では柔らかめの2段ベッドが
左右対称に4つで一部屋となっています。
また、硬臥では区画の扉は無いのが一般的ですが、
軟臥では部屋と廊下を仕切る扉があります。
家族や友人4人で旅をする分には、
ある程度プライベートが保たれるつくりです。
軟臥の欠点を挙げるならば、
硬臥同様に揺れが大きく、
また空調が効き過ぎてしまうという点があります。
夏場の旅行では、
寒すぎるほどに冷房が効いてしまうこともありますので、
利用する際には羽織るものを持っていくのが賢明です。
軟臥のベッドは上段と下段とに分かれていますが、
身動きが取りやすいのはやはり下段です。
上段には壁に設置されたステップに
足をかけて上るのですが、硬臥のハシゴと同様に
お世辞にも快適とはいえませんので、
「2段ベッドは上が好き!」という可愛い人を除き、
なるべくなら下段のチケットを取れるといいでしょう。
チケットの販売は運行日の4日前から開始されますが、
夏季休暇や長期の祝日など
中国で人民大移動が起こる期間は
人気のある種の座席・寝台車はすぐに完売になりますので、
発売と同時に事前に購入することが必要です。
※チケットによっては、さらに前から発売が始まっていますので、
詳しくは駅の係員に問い合わせてみてください。
さて、長旅にはどうしても食事が必要になりますが、
寝台車の近辺にはこうした食堂車が隣接しています。
ここでは、余り美味しい料理は期待できませんが、
空腹をしのぐ程度の食事を着席して摂ることができますので、
身動きが取りづらい電車の長旅の中では、
良い息抜きになるかも知れませんね。
また、電車の中ではお気に入りの飲み物・食べ物を
調達するのは難しいこともありますので、
余裕があれば好きな飲み物と軽食を持ち込めるといいでしょう。
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