第2089回
文明の行きつく所は「男はカッコ」か?

男性のおしゃれの雑誌は
大きく分けると3種類あります。
ユニセックス化は
若い人たちの間からはじまっていますから、
若い男のおしゃれが
雑誌のテーマになるのは当然のことだし、
それが専門雑誌にまで発展するのも
予期されたことです。
メンズ・ノンノとか、ゲイナーとか、
メンズ・ジョーカーとか言った雑誌は
この部類に属すると見てよいでしょう。

それに対して最近グーンと頭角を現わしてきたのは、
毎月24日に発売されるおじんのおしゃれ雑誌です。
部厚い順序からあげれば
先ず主婦と生活社の「レオン」集英社の「ウオモ」
そして光文社の「ブリオ」ということになります。
いずれも頭が禿げたり白髪になっても
まだあきらめきれずに
若さにしがみついている年齢層を相手の雑誌です。

いくら若い積りでも、
もう包みかくしのできない年齢層ですから、
まさかメンズ・ノンノとか、
ゲイナーとかをめくって参考にしてもおられません。
編集長もそれを百も承知ですから、
モデルもイタリアの髪の毛のうすくなった
オッサンを使っているし、
どんな人でもあれを見て
コンプレックスを感ずることは先ずありませんから、
手にとってめくって見て
恥かしい思いをしないですみます。

この3つの雑誌に比べると、
世界文化社のメンズ・イーエックスと
婦人画報社のメンズ・クラブは
年齢を横割りにするよりは縦割りにしたところもあって、
ブリオにもそうした工夫のあとがやや見られますが、
カッコだけでなくセンスに重点をおいた編集を
心がけているようです。

この手の雑誌は
次から次へと発行されるようになりましたが、
大きく分けると、
以上3つのいずれかに分類されると思いますが、
共通していることは
男もだんだん年を食ってくると
口に出して言いあいをやるよりも
カッコにこだわるようになるということです。
いまにこれらのおじん雑誌が
文藝春秋や中央公論よりも
人気を呼ぶようになるかも知れません。
うちのホームページで
私が出石尚三さんのおしゃれエッセイに
「男はカッコ」というネーミングをしたのは
案外、先見の明があったことになるかも知れませんね。


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