知的財産ってわかりますか・中村佳正

無から有を生みたい人、必見

第117
中国で『松坂牛』が申請されて・・・

先月のニュースからの話題です。
以前、地域団体商標のお話をさせていただきましたが
第84回ご参照)、
日本では地域団体商標として登録されている「松坂牛」が、
なんと中国で勝手に商標登録出願されています。
他の地域団体商標である「九谷焼」や「美濃焼」は、
本当に登録されてしまったようです。

以前、「青森りんご」の青森が
中国で登録されたと聞いて驚いた記憶があって、
いまちょっと調べましたら、日本の47都道府県中、
なんと36もの県名が商標として登録されてしまっているようです。
もちろん、中国の商標法でも
外国名や著名な地域名は登録されないことになっていて、
現に「東京」や「大阪」の商標登録は認められていません。

こうした申請行為の実体は、
既に外国などでブランドとしての地位を築いている商標を、
自国では未登録だからといって
そのブランドが国内に入ってくる前に
第三者が勝手に申請してしまうものです。
運がよければ登録になります。
そうしておいて、そのブランドが国内に入ってきたときに
高値で買い取らせるのです。

なんかずるいな〜と思われるかもしれませんが、
実は日本でもつい最近まで
こうした行為が後を絶ちませんでした(つい十数年前のことです)。
いまいろいろと取り沙汰されている中国だから
というわけではないのです。
もっと最近では、
ドメイン名の実質的な不正取得が日本でも流行しましたね
第36回ご参照)。
あまりに世論が中国ばかり責めるのは
バランスに欠くかなと思いましたので、
日本の過去についても確認していただきました。

嘆いていても仕方ないですし、
諸外国の情報をこまめに収集されるほうが賢明かもしれません。
しっかりとした機関が取り組んでいて、
発信情報に信頼がおけるのはJETROの情報です(1)。
中小企業の経営者や貿易に携わられている方なら
知らない方はおられないですが、
若い方でご存知なかった方は、
こうしたサイトからこまめにチェックされることをお勧めします。
これだけで十分かどうかは別として、
自然と世界の潮の流れが浮かび上がってきますよ。

http://www.jetro.go.jp/indexj.html


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2008年5月17日(土)

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