元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1250回
続「ときめいて生きる」の原則

前回、スローヘルス研究会の新年会で、
参加した患者さんや家族の方たちが、
「とても和やかな雰囲気で、
 心がときめきました」
といった、心身パワーアップの感想を送ってくれた
という話を書きましたが
ガンに負けずに「ときめいて生きる」原則について
もう少し書きます。

ちょうど、スローヘルス新年会は、
僕たちが3月1日に発行する新雑誌・
「いのちの手帖」の創刊準備の報告会でもありましたから、
その寄稿者の方からも発言をいただきました。
肺ガンから脳転移しながら、
14年間、西洋医学のほかに、
さまざまな代替療法を組み合わせて延命している、
小澤恵子さんは、僕から原稿依頼を受け取ったとき、
何度目かのγナイフ(放射線)治療を脳に受け、
さらに、全身温熱療法という
治療費の高い、
最新の代替療法を受けていたというのです。

「いやー、こんども何とか
 生きながらえることができましたが、
 関根さんから頼まれたので、
 とうとう闘病記も書き上げることができました」と
明るくスピーチしてくれたのにはホッとしました。
僕の足掛け8年の闘病体験でも、
なんどもあったことですが、
最悪の症状、苦しい治療を受けているときでも、
「なんとしても頼まれた原稿を書こう」
「2ヵ月後に予定していた海外旅行に行こう」
といった、先々の小さなスケジュールも
上手に養生計画に持つこと、希望を膨らますことは、
不思議とパワーアップにつながるものです。
ときには、変な「化学抗ガン剤」より、
数倍の効果をもたらすことがあります。

たとえば、原稿を書くという作業は、
しっかりと自分を見つめる契機となります。
他人に読んで貰おうと意欲を燃やすことは、
人生の希望や目標をはっきりさせます。
いや、世間に対する「責任感」も鮮明にさせます。
ただ、ガンになったことを悔やんだり、
病院や他人のせいにだけ押し付けるような
わがままな気持ちから開放してくれるはずです。

ガン患者の集まりといっても、
ただ、だらだらとおしゃべりしているだけでは
愚痴に終わってしまうこともあります。
「小さな人生のトキメキを前向きに具現する」――、
そうした「ときめき計画」のエネルギーの場を
提供したいと思って
僕自身、新しい雑誌「いのちの手帖」を計画したわけです。
ですから、スローヘルス新年会での
小澤さんやほかの寄稿者の患者さんたちからの
発言はとてもうれしいものでした。

おまけに、当初48ページの小雑誌を計画していたのですが、
予想以上に多くの方から原稿をいただき、
100ページを越える読み応えのある雑誌となりそうで、
編集部はうれしい悲鳴となりました。
巷に溢れる、覗き見趣味のテレビ番組や
お涙頂戴式の雑誌記事と違って、
お陰で、新雑誌「いのちの手帖」は
患者が主体となって作る「いのちの場」に成長できそうです。

「もし、原稿が埋まらなかったら
 僕が徹夜してでも書きますよ」と
メールをくれるジャーナリスト仲間が何人もいました。
ああ「雑誌を計画してよかったなあ」と、
いまは、心ときめいて感謝しているところです。

「いのちの手帖」創刊号の見本です。
B6ポケット版、総ページ100頁、
予価(700円・税・送料込み)。

新雑誌「いのちの手帖」は
 書店ではなく直販方式で発売されます。
 問い合わせ、及び、購読予約申し込みは、
 slow@johoressha.co.jpです。

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2006年1月28日(土)

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