礼儀正しい人が出世します-西出 博子

西出博子さんが伝える一目置かれるマナー術

第138回
「not」を使わない会話術

人と会話をする中で、
相手に良い気持ちになっていただくために
気をつけることのひとつに、
否定的な言葉、いわゆるネガティブワードは極力避けましょう
と私は常々いっています。

これは、拙著「成功と幸せのありがとうの会話術
に詳しく述べていますが、
否定形、英語でいうと“not”、
日本語では「〜ない」
という言葉を使わないように気を配れる人は、
その他のことにも気配りができると評価をされます。

たとえば、「出来ません」「わかりません」というように、
「ない」という言葉が入るだけで、
その言葉を受けた相手の感情は
マイナス方向へ動くことが多いです。

これは会話の流れで、
相手は何かをして欲しいからコミュニケーションをとった。
それに対して「出来ない」
といわれる気持ちを考えた上での会話術です。
まさに相手の立場にたつからこその会話術です。

そこで、直接的に否定をして相手を傷つけないために、
敬語では「出来ない」を「出来かねます」と言い換えます。
「わからない」は「わかりかねます」となります。

一方で敬語は、
相手によっては慇懃無礼だと感じる人もいますから、
このように相手の要望に
応えることができないことを伝える場合には、
「大変申し訳ございません」のひと言を必ずつけて
あとに「出来かねます」というと、
少し柔らかい印象になります。

さらに、「出来かねます」を
「こちらを行うことは難しい状況です」
と言い換えると婉曲的になりますが、
ストレートに否定されるよりは、心の痛みが減りますね。

「たばこはすわないで下さい」は
「大変申し訳ございませんが、
 おタバコはご遠慮いただけますか?」
と今まで学んだクッション言葉第131回参照)、
?をつけた依頼形で否定語を使用しないと、
同じことを伝えるにも相手が受け取る印象が違ってきます。

そして、相手に対して
否定的なことを伝えなければいけないときでも、
双方の関係が崩れないような断り方ができる人は、
一歩先をゆくワンランク上のマナー人といえるでしょう。


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2009年10月8日(木)

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