「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第128回
京都を気ままに 食べ歩く (その5)

北欧風のバー「FINLANDIA」をあとしして
先斗町の「ウォッカバー・ナカニシ」に移動。
散策中にたまたま見つけた店だ。
軒先に下がったマトリョーシカが目に留まった。
フィンランドからロシアへ
北国つながりもまた楽しからずや。

「ナカニシ」ではもちろんウォッカのストレート。
オーナーバーテンダーにキンキンに冷えてるヤツをと
お願いすると、注がれたのがコバンスカヤ。
生(き)でやるスピリッツはウォッカが一番好き。
観光客の姿なく、地元の若者が4人ほど
止まり木に止まっていた。

なおもブラブラと歩いて新京極に差し掛かると
聞き覚えのある「第一旭」なるラーメン店に遭遇。
高倉のたかばしに本店を構えるこの店は
直営が少なく、ほとんどがフランチャイズだという。
小腹が空いていたこともあり、
滅多に取らない夜食と相成った。
これも旅の空の成せるワザ。

スーパードライの中瓶に餃子、鳥の唐揚げと
半チャンラーメン。これを2人で分け合う。
意外にももやし入りの醤油ラーメンが
スープ・麺ともになかなかいい。
チャーハンもどことなく昔の味。
でも食べきれるものではない。
これにて、この夜はお開き。

一夜明けて、その朝も朝食は抜き。
「そうだ!京都を食べにゆこう」(第124回参照)の
著者お二人に名誉挽回のチャンスを差し上げようと
これまた絶賛されている「呑菜」を目指す。
すき焼き定食と天ぷら定食が双璧らしい。
ところがこの店、たどりついたら改装のために閉店中。

それならばと、一筋東側の高倉通に
鱧料理で有名な「三條さかい萬」を
認めていたので、そちらに回る。
引き戸を引いて中に入ると、カウンターは7席。
主菜の数が1皿ずつ増えてゆく3段階のコースから
2皿選べる真ん中のコースにした。税込みで4510円。

主菜の、鰈の祐庵焼き・真鯛と野菜の炊き合わせ・
天ぷら盛り合わせから、炊き合わせと天ぷらをチョイス。
鶏肉チーズ巻き・蓮根きんぴら・柚子皮甘露煮・
スモークサーモンなど7品盛りの先附けや
真鯛昆布〆・帆立・ばふん海胆のお造りも含めて
酒を控えたせいか、あまりピンとこない。
京料理の真っ芯を捉えきれていないような気がする。
食事の鱧雑炊も凡庸で、半分ほど残させてもらった。

10月いっぱいで鱧の季節を終え、
11月からは河豚に鮟鱇にすっぽん料理。
夜に伺ってみないと、「さかい萬」の真髄には
触れることができぬのかもしれない。

         =つづく=

 
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2006年12月27日(水)

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