「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第241回
三社祭はエンコの華 (その4)

12時半からの「天婦羅 柳屋」に始まり、
延々と続けてやっと20時に解散したのに
残党は合羽橋通りを目指したのだった。
国際通りの「浅草今半」の角を右折して
どぜうの「飯田屋」方面に向かう。
ちなみに俗に言う合羽橋の大通りは
合羽橋道具街が正式名称。

「飯田屋」に差し掛かる手前の
左手にあるのが「豚八」(第177回参照)
浅草には極めて珍しい24時間営業の洋食屋だ。
ここで、またもやビール。
それにチーズハムカツ・ナポリタン・オムライスを
注文してみんなで分け合う。
1時間ほど滞在して、ようやく長い一日が終わった。

翌日の日曜日。
早朝からの本社神輿宮出しは
ハナからあきらめて惰眠をむさぼり、
前日に酷使した胃腸と肝臓をいたわることにする。
昼は消化のよい豆腐料理を食べに白山の「五右ヱ門」へ。
池に面して開放された準東屋風の個室でくつろいだ。

食後は、本駒込―千駄木―田端―町屋―三ノ輪―
南千住―山谷―吉原と、徘徊するがごとくに
おのおのの商店街を冷やかしながらも
歩き詰めに歩いて浅草に到着したのが19時ちょっと前。
宮入りには間に合わず、
街に漂う熱気の余韻だけを肌で感じる。

ディナーは雷門前「並木藪蕎麦」の並びの
魚介料理専門店「月見草」。
あわび料理専門店と呼んでも差し支えないほどに
三陸や房州産のあわびを全面に押し出してくる。

あれだけ歩いたのだ、ビールがことのほか美味い。
ウェルカムドリンクは桃のジュースで割った白ワイン。
イタリアのベッリーニを思わせる。
一昨日もすぐ近くのトラットリア「カリッスィマ」で
海の幸のサラダをスターターにしたのだったが、
「月見草」ではなおさらのこと、
この必食科目を無視することはできない。
才巻き海老・帆立・北寄貝・海胆・いさき・中とろ・
あおりいかと多種多彩。和風ドレッシングはすだち風味。

お次は、あわびが主役の魚介のグラタン。
ほかには、才巻き・帆立・すずき・甘塩鮭が入る。
塩のおかげで脱水した鮭の食感だけは
ファイバーが立ってしまって違和感を抱かせる。
他の素材とのバランスの上からも生鮭を使うべきだ。
これにはグラスの白ワインの
リッシュモン・ヴィオニエを合わせる。

そして本日のメインディッシュが
三陸産あわびのステーキ・オリジナル肝ソース。
われわれのあわびは重さ180グラムの立派なもの。
グラム3000円につき、金5400円也ということになる。
付け合せはキノコ類といんげんのソテー、
それになぜかおでん風の大根。
さすがにあわびは満足のいくものだった。

おあとは、バー「バーリィ浅草」に流れて
K村チーフ特製のモヒートを作ってもらい、
3日間通った浅草の酒の最後の1杯とした。

          =おわり=

 
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2007年6月4日(月)

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